こんにちは、ユウキ(@yuki_housebuild)です!
土地探しをしていて、めぼしい場所が「旗竿地(はたざおち)」だったことはありませんか?
旗竿地はその名の通り、手旗のような形をした土地。
旗の部分がメインの敷地、竿の部分がメインまでの通路というわけです。変わった形をした土地ですが、その形ゆえのメリットデメリットがあります。旗竿地がどんなものなのか、建築時の注意点や住んでいてどんな傾向があるかなどをご紹介します。
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旗竿地のなりたち
まずは旗竿地がどんなものか、概要をつかんでおきましょう。
旗竿地は土地分割によってできます。そのままの形では大きすぎる・四角に分割すると細長くなってしまうなどの理由で旗竿地がうまれます。
特に昔ながらの広めの土地は、現代では広すぎる=土地価格が高いため売れにくくなります。核家族化も進んでおり、広大な敷地を必要としない家庭も多い。ならばそこそこのサイズに分割して売ろうというわけですね。宅地開発でも同じく、限られた土地を効率よく分割するために旗竿地が生まれます。分割によって、まわりは別の土地に囲まれています。
そしてメイン敷地に続く通路(竿の部分)も旗竿地の特徴です。
通路の幅は2~4mなどさまざま。住宅を建てる土地には「接道義務」というものがあり、幅4m以上の道路に家の敷地が2m以上接している必要があります。接道部分が2m以下の場合は更地にしてからの再建築ができないので土地の価値は低くなってしまうでしょう。
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旗竿地のデメリット
実は旗竿地、一般的にメリットが少ないと言われています…というかデメリットが多い。形状ゆえの特徴なので最初に理解しておきましょう。
なお、一口に旗竿地と言っても周囲の建物や形状などで条件が変わるので、「こういうケースもある」という目でご覧ください。
日当たりや風通しが悪い
一番に言われるのが日当たりです。周囲四方を建物で囲まれるような状態だとどうしても日照は悪く、風通しも良くない。特に1階部分は暗くなりがちなので、2階リビングや吹き抜けなど採光・採風のための工夫が必要になることもあるでしょう。
また、日当たりが悪いと壁やコンクリート部分に苔や藻が生えやすくなります。そのため掃除の手間も増えてしまいます。
実際の日当たりがどうなのかは、面倒かもしれませんが時間を変えて現地に見に行くのが一番わかりやすいでしょう。朝、昼、夕方。季節によっても太陽の高さが違うことも頭に入れておきましょう。夏は太陽が高く影が短いですが、冬は太陽が低いので影が長く伸びます。
車・自転車が停めづらい
通路が接道義務ギリギリの2mほどしかない場合、車は通りづらいし停めづらくなります。
特に通路部分を駐車スペースにすると2台以上は縦列駐車になるので入れ替えなどは一苦労。さらに車を停めた横を自転車が通ったり宅配業者さんが通ったりすると擦れて傷がついてしまうなんてことも…。通路幅は2.5m~3m以上あると安心と言われています。
建築費用が高くつく
同じく通路が狭いと、建設用の重機が通れないこともあります。通常使用する重機が使えなければ小型機を使うなどで対処するのですが、手間も時間も増えるので費用がかさむ原因になります。
また、メインの敷地まで水道、電気を引き込むのにコストがかかることが多いです。水道であれば量水器から屋内までの給排水工事、電気であれば電線を引き込むのに電柱を建てる必要など。
さらに通路部分にフェンスを設けるなどすれば、意外に建築費用は高くなることも考えられます。事前にどれほど費用がかかるか見積もりを出してもらうと安心です。
周囲の住宅の視線が気になる
住宅に囲まれた旗竿地は、当然ながらお隣さんに囲まれているわけで。住宅部分だけでなく通路部分にもお隣さんがいるので、人の存在感は感じられるかもしれません。気になる人には気になるところです。
防犯面で心配がある
道路から奥まった場所に住宅部分があるため、一度通路さえ通ってしまえば人目につきにくく、空き巣など犯罪をしやすい環境になるとも言えます。通路に照明や防犯カメラを設置するなどの防犯対策をすることが勧められます。
除雪作業が大変
降雪のある地域のお話にはなりますが、大雪が降ったら通路部分まで雪かきをするのは一苦労です。人の出入りする場所なのでやらないわけにもいきませんし体力仕事。雪国の旗竿地はちょっと注意が必要ですね。
旗竿地のメリット
相場より安く手に入る
デメリットがあるおかげ?で旗竿地は通常よりも安く売り出されることも多いです。交通の便がいい、買い物に便利などの好条件な立地でもちょっとお得に購入できるかもしれません。
なお、安くなったとしてもデメリットで挙げた建築費用や電気水道工事でトントンもしくは割高になる可能性はあります。契約前に、避けられない出費がどれほどなのか担当者に確認しておきましょう。支出分を考えて割り引いてもらえないか交渉できるかもしれません。
設計次第で採光・採風は取れる
旗竿地は設計士の腕の見せどころ。設計がうまければ日当たり・風通しを確保できる道もありえます。窓の位置や大きさ、間取りの作り方などで対応できるかもしれません。
旗竿地で家を建てるなら設計士としっかり相談する時間を取れること、信頼できる設計士(が在籍しているハウスメーカー)を見つけることがポイントです。
ちょっと広く高く建てられるかもしれない
当然ながら通路も敷地面積に算入されます。ということは、建ぺい率・容積率にも関わってくるんですね。通路+メインの敷地の面積を敷地面積とするので、ちょっと広めで計算できる感覚です。
ざっくり説明すれば、メインの敷地が200㎡の土地で建ぺい率が50%なら通常100㎡使えますが、通路があれば200㎡+通路20㎡=220㎡となり110㎡の広さを使えることになります。建ぺい率と容積率の詳しい解説はこちらをご覧ください。
道路の騒音が少ない
公道から離れて住居をかまえるので車の走行、人の往来などによる騒音は少なく済みます。静かな環境になりやすいですね。お隣の状況にもよりますが、落ち着いて暮らしたい人には向いていると考えられます。
子供が道路に飛び出す心配が少ない
よほど庭が広ければいいのですが、市街地だとなかなか子供のスペースはありません。玄関を開けてすぐ道路だと、うっかりボールを転がしたり自転車の操作を誤ったりでヒヤッとすることもあります。
その点、旗竿地は道路までの距離(通路)があるので安心です。一定の幅があれば車のおもちゃに乗るなどちょっとした遊びもできるでしょう。
旗竿地は想像力と情報収集を欠かさずに!
土地探しは想像力と情報収集が大切です。ここまで挙げてきたメリットやデメリットは一般的なもの。土地の形はほんとうに様々なので、その場所特有の性格があります。
気になる土地が旗竿地だったら、想像力をはたらかせて「ここに家を建てるなら何が必要だろう?」「ここに住んだらどういう生活になるだろう?」と考えてみてください。
家族が増えたら車や自転車が増えるかもしれない。駐車のしかた、洗濯物を干す場所、お隣との境界にフェンスをつけようか…現在と未来を想像してみましょう。
そして情報収集。周囲の建物の高さや雰囲気は、なにより現地に出向くのが一番。
金銭面や設計の点はお願いしたいハウスメーカーや工務店、建築士があれば相談しましょう。重機が入れるか、電気や水道工事で費用がプラスになるのか、具体的にいくらくらいか。業者としての営業トークも入るでしょうが、家を建てるのに必要な金額はしっかり出してもらうべきです。運が良ければオマケしてもらえることもあるかもしれません(笑)
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