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土地の基礎知識

土地が複数の用途地域、異なる用途地域にまたがる場合の制限について

2018年10月31日

ほとんどの土地には「用途地域」という制限があることを用途地域の種類と特徴でお話しました。
家の高さや大きさなど、どんな家が建てられるかが決まるので重要ですよね。

この用途地域、実はまれに2つ以上にまたがっていることがあるんです。
今回は土地が2つ以上の用途地域をまたいでいる場合の制限についてご説明します。

ユウキ
用途地域が複数ある土地でも家は建てられるのか、高さ制限や建ぺい率はどうなるのか。気になる点は解消しておきたいですよね。


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用途地域にまたがっていても住居は建てられる?

用途地域が複数にまたがっていても、住居は問題なく建てられます。
そもそも住居はほとんどの用途地域で建てられる(工業専用地域以外)のでまたがっていても大丈夫なんです。

複数の用途地域にまたがっている場合の制限

住居を建てるには問題ありません。が、用途地域による制限はちょっと複雑になります。

用途地域の制限には「建物の種類の制限」「高さの制限」「建ぺい率・容積率の制限」があります。これらは用途地域ごとに異なるので、用途地域が複数あれば制限のかかりかたも変わるわけです。

考え方は大きくわけて3つ。「用途地域の部分がそのまま適用される」「敷地内で一番多い用途地域が適用される」「用途地域の割合を按分(あんぶん)する」です。

ユウキ
ちょっとややこしいですが、順を追って解説します!ひとつひとつ見ていけば理解できますよ。

 

建物の種類は比率の多い用途地域が優先される

まずは「建物の種類の制限」です。住居の場合はあまり関係ありませんが知識として。

用途地域が複数ある土地の建物の種類は「敷地内で割合が一番多い用途地域」が優先されます。

上の図を例にしてみましょう。スーパーを建てたいとき、土地の用途地域は第一種低層住居専用地域4割、その他建築可能な用途地域が6割。「スーパーを建てられる用途地域が過半」なので店舗が建てられるのです。

ユウキ
住居はほぼどこでも建てられますが、用途地域をまたいだ土地にどんな種類の店舗が建つか知っておけば周囲の環境を考えられますね。

 

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用途地域をまたぐ土地の高さ制限

高さの制限は5種類あります。絶対高さ制限、道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限、日影規制です。

高さ制限は基本的に「場所ことの用途地域の設定そのまま」が適用されます。2つの用途地域をまたいでいれば2つの高さ制限がかかるということです。用途地域の区分けをカッチリ守るんですね。ただし日影規制のみ、「用途地域のうち一番厳しい制限」が適用となります。

 

絶対高さ制限

第一種、第二種低層住居専用地域のみの制限です。建物の高さ上限を10m(もしくは12m)に定めています。

低層地域とほかの用途地域がある場合、低層地域のみ10mの高さ制限がかかります。

 

道路、隣地、北側斜線制限

斜線制限は前方の道路の幅や隣地との境界から算出する高さ制限です。こちらも用途地域の区切りごとに高さ制限を計算します。

用途地域によって高さ制限の計算方法が違うので、敷地内で建物の高さが違うような場合が出てきます。上図は隣地斜線制限のイメージです。

 

日影規制

土地の境界から一定距離(5m~10m)の場所が日影になる時間を定めた制限。何時間以上日影をつくらないように、というものですね。

こちらは複数の用途地域のうち一番厳しいものが全体に適用されます。が、平屋や2階建て住宅なら気にする必要はないでしょう。

一番厳しい条件が第一種・第二種低層住居専用地域です。軒(のき:屋根の端)の高さ7m以上か3階建て以上の建物が規制対象になります。…とはいえ一般的な2階建て住宅の高さは7mほどなので、そもそも規制対象になる可能性は低いです。3階建て以上の家を建てるなら日影規制が関わってくるかもしれませんね。

上図の例だと低層地域と住居地域にまたがっています。全体が低層地域の日影規制を受けるので、住居地域部分でも7mを超えていたら日影を考慮する必要があります。

ユウキ
住宅を建てる上で高さ制限が気になるのは、3階建てなど高さのある家のケースでしょう。厳密な高さ制限・日影規制は役所の担当課やハウスメーカーの設計担当者に確認するのが間違いありません。

 

用途地域をまたぐときの建ぺい率・容積率

用途地域では建ぺい率・容積率に制限がかかります。「建ぺい率50%」なら50%以下に抑えなければいけません。建ぺい率と容積率の詳しい解説はこちら。

用途地域が複数あった場合、建ぺい率と容積率は用途地域の割合に応じて按分計算します。小難しく感じるかもしれませんが、意外に簡単にできるので見てみてください。

例えば土地の面積が200㎡第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%・容積率80%)が140㎡、第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率300%)が60㎡だったとします。

まず建ぺい率を計算してみましょう。

  1. 第一種低層住居専用地域の部分を算出する
    建ぺい率×(用途地域の面積/敷地面積)=用途地域ごとの建ぺい率
    50×(140/200)=35
  2. 第一種住居地域の部分を算出する
    60×(60/200)=18
  3. 2つのエリアを合計する
    35+18=53%
  4. この土地の建ぺい率の制限は53%です!

同じように容積率も計算すると、80×(140/200)+300×(60/200)=146%となります。

用途地域が3つにまたがるなら3つにわけて計算すればOK。このように自分で建ぺい率、容積率を出すこともできます。

ユウキ
建ぺい率容積率の値が大きいほど広く高くに家が建てられるので、用途地域がまたがって数値が大きくなるとしたらラッキー…かも?

 

まとめ:用途地域をまたぐ土地でも家は建つ!でも周囲の環境に注意しよう

土地が用途地域をまたいでいても住居は建てられます。高さ制限や建ぺい率などが変わりますが、一般的な住宅なら大きく影響を受けることはないでしょう。

ただ、同時に周りの環境も気にしてみてください。

用途地域は種類によってさまざま。低層住居専用地域ならお店は少ない住宅地。中高層住居専用地域ならいろんな店舗や施設が建ち、にぎやかになってきます。さらに住居地域、近隣商業地域や商業地域…などなど。(用途地域の種類についてはこちら

用途地域が複数存在するということは、周囲にいろいろな建物が立ち並ぶ可能性があるということ。

特に大型店舗や飲食店などが建ちやすい商業系が近い場合は、将来適に開発・出店などで日影や騒音などに悩まされる可能性も無きにしもあらず。自分の土地だけでなく、周りの用途地域がどんなものか?も重要なポイントなのです。

ユウキ
長く住むマイホームだからこそ、環境は大切です!今だけでなく、将来も見据えて土地を探しましょう。

 

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