雑記

賃貸住宅(アパート・マンション)でタバコを吸うと、退去時に多額の請求が待っています。

2015年9月9日

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 アパートに住んでいて、近々退去予定なんだけど、入居中ところ構わずタバコを吸ってしまって壁紙を汚してしまった。一体いくら請求されてしまうのだろう…。

 

学生の卒業や社会人の転勤が多い時期、こんな悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。

 

筆者は普段リフォーム会社に勤務しているのですが、その中で賃貸住宅(アパートやマンション)の原状復帰工事も数多く請け負っています。  

 

原状復帰にかかる費用の見積を出す際には、直前まで入居していたお客さんと現場で立会い、必要な工事内容をお客さんに伝え、費用の請求を出す作業、いわゆる「退去立会い」を行う事がほとんどで、仕事では、年間を通して100件近く退去立ち合いをこなしています。

 

 今回の記事では、いわば「退去立会いのプロ」である私が、退去清算時にトラブルになりやすい、タバコによる室内汚損の原状復帰費用の取り扱いについて説明します。  

 

基本的に、タバコによる壁紙の黄ばみのための壁紙張替は全額入居者負担になる

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 え?!長年住んでいれば”経年劣化”があるから壁紙の貼替費用は掛からないんじゃないの?!

 

室内をタバコの煙やヤニで汚してしまったお客さんと話をしていて、よく「勘違いしているな」と感じるのがこの部分です。

 

確かに、国交省から出ている「現状回復をめぐるガイドライン」では、壁紙は経過年数に応じて経年劣化が生じるため、黄ばみや傷等があっても入居者が張替を負担する義務は無い、と記載されています。ただし、これは通常損耗の範囲での話になります。つまり綺麗に、清潔に部屋を使っていた場合にのみ適用される事柄なのです。

 

基本的に、各不動産会社と賃貸契約を結ぶ際、契約書に 「タバコによる壁紙の変色、破れや落書き、明らかに意図的である室内設備の破損等が見られる場合、入居者はその部分について原状復帰の費用を負担する必要がある」という記載がされているはずです。

 

タバコによる壁紙の黄ばみ・汚れは、通常損耗の範囲には含まれない、入居者の過失によるものです。

 

そのため、基本的には、復旧のためにかかる壁紙張替費用は、全額入居者に請求が行く事になります。

 

タバコを吸っていた場合、原状復帰費用はどのくらいかかるか

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 タバコによる壁紙の黄ばみ汚れは、汚損がある部屋全面の壁紙の張替が必要になるため、原状回復工事で多額の工事費用が発生する要因になり易いです。間取りが「1K」の部屋で、復旧費用がどれくらいかかるか試算してみましょう。

 

間取りが「1K」の部屋で、タバコによる汚損が大きい場合の原状復帰費用

 

基本的に、退去時には、ハウスクリーニング代30,000円(1K料金) +エアコン高圧洗浄代10,000円、の費用を支払います。

 

タバコ等による壁紙の変色がある場合は、それに追加で、部屋の壁・天井の面積のに応じた壁紙の張替費用が発生する事になるのです。

 

部屋の面積によって多少前後しますが、間取りが1Kの場合、壁紙が貼ってある壁・天井面積の平米数は以下のようになります。

 

台所から洗面所:20㎡
台所天井:6㎡
洋室:25㎡
洋室天井:10㎡

 

壁紙の1㎡あたりの張替単価が1,200円として、 合計の壁・天井の面積の合計は61㎡になります。

 

仮に、台所から洋室、すべてタバコで汚れていて壁紙が必要になる場合、73,200円 の張替費用がかかる計算になりますね。

 

金額を合計すると、

ハウスクリーニング 30,000円
エアコン洗浄 10,000円
壁紙張替 73,200円
合計 113,200円

 

壁紙の汚損具合にもよりますが、1Kの部屋でタバコを吸っていた場合、復旧費用で10万円以上の請求になる事は珍しくありません。当然、他に破損個所とかがあれば、更に請求金額が増える可能性もあります。

 

ちなみに、私が担当した中では、原状復帰費用が40万円近くにのぼったケースもありました。3LDK物件で、部屋全体がタバコで著しく変色していたため、それだけ費用が増えたのです。

 

間取りが1LDK、2LDKと、借りている部屋の面積が大きくなればなる程、張替に必要な費用も増えます。より部屋の使い方には注意が必要と言えるでしょう。

 

タバコによる請求金額を少しでも安くする方法

 

上記のシュミレーションから判る通り、賃貸住宅でタバコを吸うという行為は、10万円近くのお金をドブに捨てるのと同じ、という事をお分かりいただけたでしょうか。

 

 タバコを吸ってしまって汚してしまったものは仕方が無い…。でも、どうにか請求されない方法はないの?

 

正直、 退去立ち合いに来た担当者の目を欺くのは至難の業です。 通算で何百件も立ち合いを経験している担当者であれば、独特の匂いで部屋に入った瞬間に「タバコの部屋だ」解ります。

 

でも、逆に言えば「匂いさえ消えていれば」タバコが吸われていた部屋だと分からない場合があるんです。

 

汚れが軽微な場合、室内の消臭を徹底的に行えば、張替請求をされない事も多い

 

あまりに極端に変色している場合ごまかしようが無いのですが、軽微なタバコによる黄ばみ・変色は「日焼けによる変色なのか、タバコによる変色なのか」は「匂い」で判断するしかありません。

 

張られている壁紙の色合いや柄も、部屋ごとにまちまちで、全てが真っ白とも限りませんからタバコの匂いがしない部屋で「入居した時からこういう色合いの壁紙だった」と言えば、立会い担当者は「そうだったのか」と思うしかありません。

 

よって、「消臭」というのは最も手軽で有効的な手段だと言えるでしょう。

 

 

消臭には「タバコブライトン」というタバコ専用の消臭剤がオススメです。私が勤めているリフォーム会社が委託しているハウスクリー二ング業者でも使用している業務用の消臭剤で、市販製品では落としきれないタバコの臭いでも、限りなく無臭に近づける事ができます。

 

壁紙の黄ばみが軽微だった場合、匂いを消せさえすれば、立会いに来た担当者が「この部屋では喫煙していないな」と判断する可能性がかなり高くなります。

 

 

賃貸住宅は「借り物の部屋」である事を忘れず、清潔に使用する事を心がけよう

 

長々と賃貸住宅でのタバコ汚れの取り扱いについて記述しましたが、退去時に一番穏便に済む方法は「タバコを吸わない事」です。かかる費用はハウスクリーニング+エアコン洗浄代金で4万円程度だけで済むワケですからね。

 

多額の金額になると、請求する側も心が痛むのです。 具体的には、タバコは決して室内では吸わない事 。もし吸う場合はベランダ。最低でも台所の換気扇の下でだけ。

 

これだけ実践すれば、退去時にかかる原状復帰費用は最低限で済むのです。

 

賃貸のアパートは「借り物」であり、その部屋は契約車の所有物ではありません。

 

当然、「あなたが退去した次にその部屋に住む人」もいるのです。 その事を忘れずに、常に部屋を清潔に使用する事を心がけましょう!

 

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