こんにちは、ユウキ(@yuki_housebuild)です!
家づくりを行うにあたって、建築工法については良く調査を行い、しっかりと知識を身に着けている方は多いです。しかし、「基礎」の仕様についてまで、しっかりと理解している方はあまり多くない印象です。
確かに、住宅の日常的に目に付かない部分ですし、その重要性にあまり目が向かなくなるのは致し方ない部分はあります…。
ですが、住宅の柱や梁は人間で言う骨格だとするならば、家を地面から支える「基礎」はいわば住宅の「心臓」部分です。
基礎に何か異変が起きてしまえば、瞬く間にその不具合は住宅全体にその不具合が伝わってしまうのです。(代表的なものは「不同沈下」と呼ばれる現象で、基礎が地盤ごと沈下し、建物全体に傾きが生じてしまう現象です。)
また、基礎は家が建ってしまえば、殆どが目に付かない場所に位置する箇所が故に、欠陥や手抜き工事も起こりやすいのも「基礎工事」になります。
- 基礎の種類と特徴
- 基礎工法ごとに知っておくべき注意点
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住宅基礎とはどの部分?土台との違いは
そんな方のために、おさらいというか、確認です。住宅における「基礎」とは、住宅の外壁の下に配置されている鉄筋コンクリートの造作物の事を指します。
これは私の自宅の基礎工事が行われた際の写真になります。住宅の基礎はこのように、家が建つ前に地面の上に造成され、住宅を支えています。
ちなみに基礎と「土台」は似た言葉ですが、「土台」は基礎の上に敷かれる木材の事で、基礎の内に入りません。意味が混在しないように注意しましょう!
住宅における基礎の箇所・部位を確認したところで、次の「基礎の種類」について説明させて頂きます。
一般的な戸建住宅において造成される基礎は主に「ベタ基礎」と「布基礎」の2種類が存在します。
【関連記事】ベタ基礎工事 着工~完成までの全記録
ベタ基礎の特徴
現在最も普及している基礎工法
ベタ基礎とは、建物の主要構造部の荷重を支えるための「基礎立ち上がり」と建物全体の荷重を支える「床スラブ」で構成されている基礎構造の事を指します。
基礎立ち上がり+コンクリートスラブ両方が鉄筋コンクリートで構成されているため、以下のような特徴を持っています。
- 基礎全体で建物の荷重を受ける事ができるため、不同沈下が発生しにくい
- 荷重が基礎全体へと分散されるため、多少軟弱な地盤でも問題無い
- 床面も鉄筋コンクリートで覆われているため、地面からの湿気やシロアリ等の侵入を防ぐ事ができる
「施工方法が確立されているため、品質のばら付きが少ない」、「鉄骨造より木造の方が局所への荷重が少ないため、木造の場合は基礎全体で荷重を受けるベタ基礎が適して入る」等の理由で、現在日本で最も採用されている基礎工法になります。
布基礎の特徴
局所的な荷重への耐久性がある、昔ながらの基礎工法
布基礎は、少昭和初期頃から木造建築の基礎として採用され始め、現在も使用されている歴史のある基礎工法で、建物の主要構造部に沿うように帯状に連続して鉄筋コンクリートの立ち上がり設けられた基礎の事を指します。
ベタ基礎との一番の違いは1点目が床面のコンクリートスラブが「無筋コンクリート」になっている事。つまり床面には鉄筋が含まれていないため、布基礎において床面は基礎としての強度を持っていない。という部分が最も大きな違いになります。
…今までの説明だけ聞くと、こう考える方も多いと思います。ですが、布基礎はもう一点、ベタ基礎とは決定的に異なる仕様になっている箇所があります。
それが、「根入れ深さ」の値の違いです。
「根入れ深さ」とは、簡単に言うと地面の下に隠れている基礎の深さの値です。根入れ深さの最低値は建築基準法で定められていて、ベタ基礎の場合は120㎜以上、布基礎は240mm以上の根入れが必要になります。
つまり、「布基礎はベタ基礎の倍以上も地中深くから基礎が構成されている」という事になります。
住宅構造が鉄骨造の場合は、木造住宅と比較して住宅の総重量が重い事もあり、耐力壁(ブレース)が入っているような主要構造部から基礎立ち上がりに局所的に伝わる荷重は木造より段違いに大きくなります。
そのため、積水ハウス、大和ハウス、パナホーム、トヨタホーム等の鉄骨造の住宅では、ベタ基礎より地中深くから基礎立ち上がりが造成され、強度が確保しやすい「布基礎」が未だに採用されているのです。
適切な理由で選ばれていれば「ベタ基礎」と「布基礎」の間に強度の優劣は無い
よく、この2つの基礎を比較して、
「"基礎全体で荷重を受けるベタ基礎"に対して"立ち上がり部分でのみ荷重を受ける布基礎" 当然、全体で荷重を受ける事ができるベタ基礎の方が明らかに耐久性が高い!」
といった論調で語られるシーンが見られます。
ですが、ベタ基礎と布基礎では基礎の構造が全く異なっているため、建築工法や構造、地盤状態を検討する事なくそれらを比較するのはナンセンスと言えるでしょう。
「ベタ基礎」の工事費用
ベタ基礎工事で掛かる費用として、大体このくらいの金額…といった基礎工事費の参考情報として、私が家の木造2階建ての注文住宅を建築した際の基礎工事費用を公開します。※基礎の施工範囲は、62㎡(19坪程度、1階延べ床面積と同じ)になります。
地盤改良調査費用:5万円
地盤改良費用(柱状改良):50万円
基礎工事費用:150万円
合計:205万円
基礎工事のみで150万円。地盤改良費用を含めると205万円掛かっています。
ただし、基礎工事で掛かる費用は複数の要素を総合して考える必要があります。例えば、生コンクリートや鉄筋の単価は地域によって違うのは勿論、繁忙期・閑散期等の季節要因によっても変動します。
「布基礎」の工事費用
布基礎の工事費用
布基礎工事は、構造上ベタ基礎のように床スラブ(鉄筋+コンクリート)を打設する必要が無いため、材料部分のコスト面は大分安く抑える事ができます。
ただし、床面に鉄筋コンクリートを打設しない代わりに、地面からの湿気やシロアリの侵入を防ぐための薄い仕上コンクリートを打設するため、工事に掛かる手間や人件費はベタ基礎と大きく変わりません。
そのため、ベタ基礎の例で挙げた「建築面積30坪、木造2階建」の規模の住宅を布基礎仕様で施工した場合、床スラブ分の鉄筋コンクリート代金を差し引いて、「基礎工事費用は120万円」が妥当な金額になると言えるでしょう。
ベタ基礎工事の注意点とデメリット
現在日本で最も採用されている基礎工法であるベタ基礎ですが、新築工事時に採用するに当たって2点ほど注意点があります。
ベタ基礎の注意点・デメリット① 布基礎→ベタ基礎に仕様を変更する場合、追加費用が必要になる
一つ目の注意点は、布基礎→ベタ基礎に基礎仕様をオプションで変更する場合、追加工事費用が大きく掛かってきてしまう点です。
鉄骨造のハウスメーカーで基礎の標準仕様が布基礎の場合、オプションでベタ基礎に仕様を変更する事が出来ますが、その場合は鉄骨造仕様のベタ基礎(基礎の根入れ深さをより深くしたり、床スラブをより厚くしたり…)になります。
当然、布基礎より鉄筋コンクリート材料代が掛かる分、30~50万円程度の追加費用が掛かるものと考える必要があります。
ベタ基礎の注意点・デメリット② 鉄筋の太さ、配置間隔によって強度に違いが出てくる
ベタ基礎の床スラブの鉄筋の配置間隔は建築基準に基づき以下のように基準が告示されています。
建設省告示「平 12 建告第 1347 号の第 2 」 径9mm以上の鉄筋を使用し30cm以下間隔で縦横に配置しなければならない
この基準のやっかいな所は、「太さ9mm以上の鉄筋を使用していて30cm以下の配置で間隔されていれば問題無し!」とされている所です。
- 太さ10mmの鉄筋を30cm間隔で配置された基礎
- 太さ13mmの鉄筋を15㎝間隔で配置された基礎
例えば、上の2つの例を比較すると、より太い鉄筋が細かく敷き詰められた②の例の方が頑丈な基礎が出来上がります。
などと強気に謳っているハウスメーカーの基礎が、基礎の仕様を詳しく確認すると、「鉄筋径9mm、配置間隔30cm」と基準ギリギリ…というのもよくある話です。
当然、細い鉄筋ほど材料コストも安く、配置間隔が拡がるほど使用する鉄筋量も少なく済みます。こういった顧客が気付きにくい部分でコストカットを行っているハウスメーカーも少なく無いです。
住宅建築を行う場合、こういった「ベタ基礎配筋図」という図面を必ず作成する必要があります。(例によって、我が家の建築時の資料ですが…)
各ハウスメーカーの営業マンも、自社がどんなベタ基礎の鉄筋径・配筋仕様で住宅を建てているか把握しているはずです。(把握してないとヤバいです。。)
ベタ基礎を採用しているハウスメーカーなら、この質問一つで、その会社が基礎についてどういう認識を持っているかわかります。
「鉄筋径は9mm、配置間隔30cmです!」と回答がかえってくるようなら、そのハウスメーカーは「基礎なんて最低基準で十分だ」と考えている会社と捉えて貰って差し支えないと思います。
布基礎工事の注意点とデメリット
布基礎の注意点・デメリット① 土の上に防湿コンクリートが施工されているか
布基礎はひと昔前まで、基礎立ち上がり部分以外には何も施さず基礎を造成するのが当たり前でした。
基礎立ち上がりの部分以外は”地面そのまま”なので、家が完成し、床下点検口を開けると地面がコンニチハ…という状態だったため、以下のようなトラブルが続発していました。
- 地面からの湿気が床下に上がり放題。床下の構造が腐食しやすい環境に
- シロアリ、ムカデ等の害虫が床下から侵入し放題
そのため現在では殆どのハウスメーカーで、布基礎の床部分には「防湿コンクリート」と呼ばれる薄いコンクリートを敷いて湿気と害虫対策を行っています。(そのため、完成後の外見はベタ基礎と殆ど変わらなくなりました。)
ただし、ごく一部の中小ハウスメーカーや地方工務店では、未だに防湿コンクリートを引かずに布基礎工事を行っているケースがあります。
防湿コンクリートの有る無しでは、住宅の寿命がまるで変わってきます。特に、基礎部分は住宅が完成した後では手直しや追加工事を行う事はできません。
布基礎の注意点・デメリット②ベタ基礎よりも地盤改良が必要になる可能性が高まる
鉄骨造の住宅ではベタ基礎よりも基礎立ち上がり部分の強度が優れている布基礎が採用されるケースが多いです。
その理由は、住宅構造が鉄骨造の場合は、木造住宅と比較して住宅の総重量が重い事もあり、耐力壁が入っているような主要構造部から基礎立ち上がりに伝わる荷重が木造より段違いに大きくなるためです。
しかし、鉄骨住宅の荷重に耐えるために、ベタ基礎では無く基礎立ち上がりの強度が確保できる布基礎を採用したのに、基礎がその荷重に耐えられも地盤が耐えられない…というケースが発生する事があります。
布基礎の場合、基礎立ち上がりに荷重が集中する分、地盤改良工事をしっかりと行わないと、不同沈下を引き起こすリスクがベタ基礎以上に高くなってしまうのです。
ちなみに鉄骨住宅でもベタ基礎仕様にする事は出来るのですが、床スラブを通常より厚くする等、「鉄骨造仕様のベタ基礎」となり基礎重量が布基礎より重くなるため、結局地盤改良が必要になってしまいます。
まとめ 基礎には適材適所の形がある
基礎形状は、建物の構造や、土地の状態によって、適材適所に形状や仕様を変える必要がある事がご理解頂けたでしょうか。
「ベタ基礎だからダメ、布基礎だからダメ…」という事ではありません。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で各ハウスメーカーの基礎仕様を見ていくと、基礎の造りからそれぞれの会社が家づくりで重視している事やこだわりを見抜く事が出来るようになります。
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一生に一度の家づくりで後悔しないために…
- 商談を進めているハウスメーカーの対応がいまいち良くない…。
- 今検討している会社以外にも、他にもっと良いハウスメーカーがあるのでは無いか?
- 家づくりで失敗したくないから、誠実で実力のあるハウスメーカーに依頼をしたいが、探し方が分からない…。
家づくりを進めている方で、このような悩みを抱えている人は多いのでは無いでしょうか。
他の会社を比較したくても、ハウスメーカーにプランを作成して貰うにためには、展示場に行って「相談」→「商談」→「間取図案作成」→「商談(展示場に再訪)」というプロセスを踏む必要があり、それは正直かなりの労力を使います。
ただでさえ、仕事や育児で日常が大変なところに、数社に同時進行でプラン作成を依頼するのは腰が重い…。と感じている方は多いでしょう。
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