こんにちは、ユウキ(@yuki_housebuild)です!
この記事では、各ハウスメーカーの基礎の仕様について数値データや図解データを基に比較・検証を行い、頑丈な基礎を作っているハウスメーカーを調査してみました!
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まずは住宅基礎の「最低基準」を確認
この記事では、建築基準法の告示において設定された「ベタ基礎」、「布基礎」の各種基準値を基に、「それと比較して各ハウスメーカーの数値がどうなっているのか」といった部分に着目し、各社の基礎仕様を比較分析していきます。
そのため、まずは下図に示した「住宅基礎の建築基準値」を把握しておきましょう。
ベタ基礎の建築基準値
立ち上り厚さ | 120mm以上 |
立ち上り高さ | 400mm以上 |
根入れ深さ | 120mm以上 |
スラブ厚 | 150mm以上 |
布基礎の建築基準値
立ち上り厚さ | 120mm以上 |
立ち上り高さ | 400mm以上 |
根入れ深さ | 240mm以上 |
フーチング厚 | 150mm以上 |
※ベタ基礎と布基礎の違いについては以下の記事で解説しています。
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住宅基礎(ベタ基礎・布基礎)の種類と特徴をプロが徹底解説
住宅基礎の種類は「ベタ基礎」と「布基礎」の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットや、具体的にどんな建物に適しているかを徹底的に解説していきます。
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基準値と比較する事で、ハウスメーカーの基礎の強さを測る事ができる
以上が、建築基準法の告示に基づき指定されている「住宅基礎の建築基準」です。言い換えると、この基準が「住宅基礎の最低ライン」という事になります。
最低ラインの基準と比較して、「各ハウスメーカーの基礎の仕様がどこまでプラスに設定されているか」を見る事で、そのハウスメーカーの基礎の頑丈さを測る事ができます。
以下からは、公表されているデータ、またはメール・電話による聞き取り調査によって得た情報を基に、各ハウスメーカーの基礎強度を比較・検証していきます。
※例えばハウスメーカーAの基礎立ち上がり厚さが140mmだった場合、建築基準の120mmよりも+20mm優れている、という意味で以下のように表記をしていきます。
※例 立ち上り厚さ | 120mm以上(+20) |
※ただし、厳密に言うと、必要な基礎の根入れ深さ等をはじめ、地盤状況・または県条例で凍結深度が定められていれば変更が必要だったりしますし、一概に言えない部分は多々あります。
積水ハウスの基礎仕様と特徴
立ち上り厚さ | 160mm以上(+40) |
立ち上り高さ | 450mm以上(+50) |
根入れ深さ | 350mm以上(+110) |
フーチング厚 | 220mm以上(+70) |
まずは積水ハウスの基礎の特徴を見ていきましょう。積水ハウスでは基礎形状の標準仕様として「布基礎」を採用しています。これは鉄骨仕様(IS/BEシリーズ)、木造仕様(シャーウッド)共に同じ仕様の布基礎となっています。
上記の表を見てわかる通り、いずれの項目も標準サイズを大きく上回る基礎仕様となっており、非常に頑丈な作りの基礎である事がわかります。
積水ハウスでは「ダイナミックフレーム・システム」と呼ばれる強靭な鉄骨構造躯体を採用していて、建物重量を支えるため以下のような工夫を施し頑丈な基礎の造成を心がけているようです。
- 独自の半円型の基礎フーチングを採用(構造力学上無駄を出さない形状)
- コンクリート打設にはメタルフォームと呼ばれる専用の鋼製型枠を使用。
- 専用型枠でフーチング部から立ち上がり部まで打ち継ぎの無い基礎を造成可能
(※構造的に打ち継ぎ部があると外力に弱くなる) - 基礎と柱を「ダイレクトジョイント」し、構造躯体に加わる力を直接基礎に伝え地中に逃がす(土台を使用しない
流石は業界最大手メーカー。見えずらい基礎部分へのこだわりも「半端じゃない」です。積水ハウスの仕様なら基礎自体の強度で問題が生じる事はほぼ無いと言っていいでしょう。
ただ一つ注意すべき点としては「強固な地盤に基礎が建てられるか」といった部分。
基礎が強固だからと言って地盤に問題がある場合は話は別です。地盤改良の方法は入念に打ち合わせ・検討を行う必要があると言えます。
セキスイハイムの基礎仕様と特徴
立ち上り厚さ | 160~411mm(+40~+291) |
立ち上り高さ | 400mm(+0) |
根入れ深さ | 230mm(+110) |
スラブ厚 | 150mm以上(±0) |
鉄骨ユニット工法で家づくりが行われるセキスイハイムでは、鉄骨系住宅では珍しく「ベタ基礎」が標準仕様となっています。
基礎の形状に特徴があり、基礎内側の立ち上がりは浮島のように点在するセキスイハイム独自の仕様となっています。
セキスイハイムのベタ基礎
一般的なベタ基礎
また、セキスイハイムでは「基礎内部まで居住空間のうち」とみなしていて、基礎内部に「ウォームファクトリー」と呼ばれる暖房機器を設置します。
基礎内側に余計な立ち上がりを設けない事で、基礎内に壁の無い一つの大きな空間が出来上がり、基礎内の隅々まで暖気が行き渡る構造になっています。
異形とも言えるセキスイハイムのベタ基礎。「通常より基礎立ち上がりが少なくなれば、セキスイハイムの鉄骨ユニット構造の重量には耐えられようも無いのでは?」と疑問に思う方も多いかも知れません。
そのため、基礎内側の立ち上がりのを411mmと一般的な基礎立ち上がりより+291mmも厚みを増した仕様にし、鉄骨ユニット構造にも対応した基礎構造を実現しています。
セキスイハイムのように断熱にも力を入れた基礎構造を作っているハウスメーカーは他には無いので、良くも悪くも「他社に例が無い完全独自の基礎」を作ってると言えるでしょう。
三井ホームの基礎仕様と特徴
立ち上り厚さ | 150mm以上(+30) |
立ち上り高さ | 430mm以上(+30) |
根入れ深さ | 300mm以上(+180) |
スラブ厚 | 150mm以上(±0) |
高品質な木造住宅(木造軸組パネル工法、ツーバイフォー工法)を取り扱っている三井ホームの基礎の仕様を見ていきましょう。
採用している基礎形状は「ベタ基礎」。根入れ深さが300mm以上と、標準値を大きく上回る仕様で造成されています。それ以外の数値は標準より少し上程度ですね。
しかし、三井ホームの基礎へのこだわりは、「コンクリート厚」よりも「鉄筋量」に表れています。
三井ホームでは、「マットスラブ」と名付けられた厚さ150㎜以上床スラブを造成し、従来比約2.67倍という圧倒的な鉄筋量を敷き詰めて基礎を造成しています。
具体的には上記写真のように、荷重が想定される箇所には配置する鉄筋を増やし、縦横10~20cm間隔で鉄筋の配置を行っているのです。ベタ基礎の標準的な鉄筋の配置間隔は縦横30cmですから、いかに三井ホームの鉄筋が高密度で配筋されているかが分かると思います。
三井ホームの基礎は、コンクリート厚だけで見れば「標準より少し上」程度の評価ですが、コンクリート内の鉄筋量が他社より圧倒的に抜きんでいてるため、木造住宅のベタ基礎としてはオーバースペックとも言えるくらい、剛性の強い基礎が作られていると言えるでしょう。
タマホームの基礎仕様と特徴
立ち上り厚さ | 150mm以上(+30) |
立ち上り高さ | 450mm以上(+50) |
根入れ深さ | 200mm以上(+80) |
スラブ厚 | 150mm以上(±0) |
木造軸組パネル工法を採用し、どちらかと言うとローコスト住宅としてカテゴライズされる事の多いタマホームの基礎を見ていきます。
タマホームの基礎は「ベタ基礎」を採用しています。極めて一般的な形状のベタ基礎の構造になっていて、大手ハウスメーカーのように特別な仕様を付け加えている訳ではありません。
ですが、基礎の厚さや鉄筋量も標準値を上回るように設計されていますし、性能的にも十分「優秀な基礎」だと言えます。
一条工務店の基礎仕様と特徴
布基礎が標準だが地盤判定でベタ基礎に変更になるケースが多い
一条工務店の標準仕様は「布基礎」とされています。木造軸組パネル工法、ツーバイフォー工法を採用している木造住宅メーカーで布基礎を標準仕様にしている数少ないハウスメーカーとなります。が…実態は少し異なるようです。
実際に一条工務店で家を建てた人から話を聞いても、ネット上のブログや口コミを見ても、「うちは一条工務店で家を建てたけど”ベタ基礎”だったよ」という人しか見当たりません。(逆に「布基礎だった」という人はどこを探しても見つからないです汗)
どうやら、「地盤に問題が無ければ布基礎で!」→「だけど、少しでも地盤に難があればベタ基礎で建築した方がいいです」という流れで、オプションとしてのベタ基礎に切り替わってしまうケースがほとんどのようなのです。
よほど強固な地盤でない限り採用される事の無い「標準仕様の布基礎」ですが、念のため標準仕様を掲載しておきます。
立ち上り厚さ | 160mm以上(+40) |
立ち上り高さ | 420mm以上(+20) |
根入れ深さ | 300mm以上(+60) |
フーチング厚 | 220mm以上(+70) |
ちなみに地盤調査の結果「ベタ基礎判定」が下されると、規模にもよりますが、工事金額が30~50万円程度上乗せになるようです。
実質的な標準仕様?ベタ基礎の場合基準
立ち上り厚さ | 160mm以上(+40) |
立ち上り高さ | 420mm以上(+20) |
根入れ深さ | 300mm以上(+180) |
スラブ厚 | 220mm以上(+70) |
ここからは、一条工務店で家づくりを行う方の大多数の人が当てはまる事になるであろう、「ベタ基礎」の仕様を紹介します。
各数値、標準値を上回る仕様となっています。特に着目すべきはスラブ厚。
スラブ厚は基礎の床全体に関与する場所なので、厚みを増した分だけ材料費がかさむ割合が大きくなります。ですから、他社ハウスメーカーの数値を見ても、ベタ基礎のスラブ厚は「150mmの標準値のまま」で基礎造成を行っている会社がほとんどです。
それと比較して、一条工務店が採用している220mmという極厚のスラブ厚の数値は、頑丈な基礎を造成するために非常に思い切った判断をしていると言えるでしょう。
アエラホームの基礎仕様と特徴
タマホーム等と並んでローコストハウスメーカーとして分類される「アエラホーム」の基礎性能の解説です。
まず最初に、公式ホームページを調査していて思わず突っ込んでしまったのが、「ベタ基礎を採用し…」と記載があるのに、掲載してある図写真がどう見ても「布基礎」な事(^^;
恐らく、以前まで標準仕様で採用していた「布基礎」の図写真をそのまま使用しているのでしょうが、基礎形状の誤解を招くので早急に修正される事を願います。(一応私地震、問い合わせはしてみました汗)
気を取り直して、本題に戻ります。アエラホームは「ベタ基礎」を採用しています。各項目の数値は以下の通り。
立ち上り厚さ | 180mm以上(+60) |
立ち上り高さ | 400mm以上(±0) |
根入れ深さ | 200mm以上(+80) |
スラブ厚 | 150mm以上(±0) |
同じローコスト系ハウスメーカーであるタマホームの基礎仕様と比較しても、大体似たような数値になっている事がわかります。
※タマホームの基礎仕様
立ち上り厚さ | 150mm以上(+30) |
立ち上り高さ | 450mm以上(+50) |
根入れ深さ | 200mm以上(+80) |
フーチング厚 | 150mm以上(±0) |
アエラホームの基礎が他のローコスト系メーカーと決定的に違う点は、「基礎立ち上がりの厚さが180mm以上(+60)ある」という部分です。
これは、基礎の耐久性を向上する目的というより、「”キューワンボート”とよばれる厚手の外張り断熱材」を採用するために、より厚みのある基礎立ち上がりを造成しているものと推測されます。
ミサワホームの基礎仕様と特徴
立ち上り厚さ | 140mm以上(+20) |
立ち上り高さ | 400mm以上(±0) |
根入れ深さ | 250mm以上(+10) |
フーチング厚 | 180mm以上(+30) |
最後にミサワホームの基礎構造の解説です。ミサワホームでは木造住宅では珍しく、標準で「布基礎」を採用しています。
各項目の数値ですが、標準地より0~30mmプラスした仕様になっていて、可もなく不可も無くといった印象です。
布基礎を採用している理由として、建物の安定性を維持するために、"壁や柱の直下には必ず基礎があり、それらが全て地中で繋がっている状態"を指す「連続布基礎」を挙げています。(連続布基礎はミサワホームだけの特徴では無く、積水ハウス等他の布基礎の場合でも同様です。)
同じ布基礎を採用している積水ハウスの木造仕様(シャーウッド)と数値を比較してみます。
※積水ハウス(シャーウッド)の基礎仕様
立ち上り厚さ | 160mm以上(+40) |
立ち上り高さ | 450mm以上(+50) |
根入れ深さ | 350mm以上(+110) |
フーチング厚 | 220mm以上(+70) |
やはり業界最大手と言われる積水ハウスの基礎仕様と比較すると、少し頼りなさを感じてしまうかも知れません(-_-;)
他にも、基礎型枠へのコンクリート打設を「1回目基礎底(フーチング)」→「2回目基礎立ち上がり」と分けて行っているのも、積水ハウスの基礎と異なる所です。(打ち継ぎが出てしまうため、1度にまとめて打設を行った方がより頑丈な基礎が造成されます。)
しかし、ミサワホームの基礎仕様も、基礎の厚さや鉄筋量も標準値を上回る設計で基礎造成がされている点では他のハウスメーカーと変わりがありません。
まとめ「基礎」を比較すると各ハウスメーカーの家づくりへのこだわりが見えてくる
以上、ハウスメーカー6社の基礎の仕様・形状・数値を比較してみました。
普段ほとんど目に付かない箇所だけに「基礎なんてどこで建てても大して変わらない」と考えてしまいがちですが、各ハウスメーカーの基礎を比較してみると、想像以上に形状や数値に違いがある事がわかります。
頑丈さを高めるための工夫、断熱性を高めるための工夫…。基礎を見る事で各ハウスメーカーが家づくりのどんな部分にこだわっているかを分析する事ができます。
一生に一度の家づくりで後悔しないために… 家づくりを進めている方で、このような悩みを抱えている人は多いのでは無いでしょうか。 他の会社を比較したくても、ハウスメーカーにプランを作成して貰うにためには、展示場に行って「相談」→「商談」→「間取図案作成」→「商談(展示場に再訪)」というプロセスを踏む必要があり、それは正直かなりの労力を使います。 ただでさえ、仕事や育児で日常が大変なところに、数社に同時進行でプラン作成を依頼するのは腰が重い…。と感じている方は多いでしょう。 消耗する事無く自宅にいながら手軽にハウスメーカーを比較するためには「”タウンライフ家づくり”という、間取プラン一括作成サービス」を活用する事がオススメです。
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