こんにちは、ユウキ(@yuki_housebuild)です!
ハウスメーカー評論シリーズ、今回は三井ホームです。
三井ホームは日本でツーバイフォー工法をいち早く取り入れたハウスメーカー。カナダに事務所を置き、植林から伐採、加工までおこなっています。そんな三井ホーム住宅の建築工法、性能、気になるお金はいかほどか?わかりやすく丁寧に解説いたします!
三井ホームは基礎、壁、屋根まるごと強化したハイスペック住宅。全館空調「スマートブリーズ」を組み合わせることで快適な住環境が実現します。
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三井ホームのプレミアムモノコック工法
三井ホームの特徴、まずは「プレミアムモノコック構法」。断熱方法も一風変わった屋根断熱、遮音(防音)性にもこだわりが見えます。
ツーバイフォー工法を発展「プレミアムモノコック構法」
これは一番外せないポイント。プレミアムなモノコック。モノコックとは壁面全体で構造躯体を支える面構造のこと。よく自動車や航空機の構造と同じと言われます。家の場合は基礎(土台)、外壁、屋根という外側の面で支える、という意味になります。
モノコック構造自体はそう珍しくありません。ツーバイフォー工法をはじめとしたパネル構造であればモノコックです。しかし三井ホームは 「プレミアム」と言うだけあって、面構造に付加価値をつけています。
基礎・外壁・天井すべて強化
家まわりすべての面をグレードアップして耐震性・断熱性・遮音性・耐火性…もろもろ強化しているのです。
”マットスラブ”の超耐久基礎
まず基礎。「マットスラブ」 と言っています。ただのベタ基礎じゃないかと思うのは早計。厚みは150mm以上と標準的ですが、配筋量が半端ないのです。基礎内の鉄筋の密度を高くすることで、基礎強度はグンと上がります。完成後に見えない箇所へのこだわりは安心感がありますね。
※基礎が強いハウスメーカーの記事でも三井ホームや他メーカーの基礎をご紹介しています。
BSW(ブロックアンドシームレスウォール)の強固な外壁
次に外壁。「BSW(ブロック・アンド・シームレスウォール)」 だそう。これはいわゆる塗り壁(吹き付け)。継ぎ目のない仕上げです。
見た目の良さだけでなく、塗り壁にありがちな外壁下地(モルタル)のヒビ割れ対策が強い。ただのモルタルでなく、スーパーファインクリートという樹脂などを組み合わせた下地を使っています。その他、防水・厚みの確保・補強などしっかりされています。
DSP(ダブルシールドパネル)で高耐久・高精度の屋根断熱
最後に屋根。「DSP(ダブルシールドパネル)」。かなり特殊な屋根下地材です。構造用合板で断熱材をサンドイッチしています。
多くの場合、断熱材は小屋裏(天井裏)に敷きます。しかし三井ホームでは天井下地そのものを断熱化し、屋根で熱を遮断しているのです。屋根断熱をすれば小屋裏に熱がこもらず、小屋裏からの輻射熱がやわらぐ…というわけです。熱を家に侵入させないという考え方ですね。ちなみに三井ホームは防水シートも水漏れなし・耐久性30年以上の良質なものを使っているとのこと。
三井ホームの住宅性能のメリットと特徴
三井ホームの断熱性能
三井ホームの断熱性能は十分に高いと言えます。
構造材 | 2x6(38x140mm) |
窓 | アルミ樹脂サッシ アルゴンガス入りLow-E複層ガラス |
外張断熱 | なし |
床断熱材 | ビーズ法ポリスチレンフォーム 80mm |
外壁断熱材 | ロックウール 140mm |
屋根断熱材 | 6インチDSP (構造用面材+ビーズ法ポリスチレンフォーム140㎜) |
標準仕様のUA値は0.43w/㎡K。(外皮平均熱貫流率:小さいほど断熱性が高い)
外側の構造材に2x6材を使用しているので壁厚があり、より断熱材の厚みを取れます。2x4材は厚み90mm、その他柱は105mm、厚いものでも120mm。2x6材の厚みは140mmなので、高い断熱効果が期待できますね。
DSP(ダブルシールドパネル)での屋根断熱で建物内の温度上昇が抑えられる…のはもちろん、小屋裏からの輻射熱がやわらぐのはかなりポイント高いかと。小屋裏が暑いと、じわじわ熱が伝わって暑く感じるんですよね。夏に限らず建物内の温度変化が少なくなる。スマートブリーズ(全館空調)と組み合わせると効率よく温度調節ができるでしょう。スマートブリーズについては後述します。
※断熱材の性能については下記記事にて解説をしています。
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ハウスメーカーでよく使用される断熱材の種類・性能をまとめて比較してみた
こんにちは、ユウキ(@yuki_housebuild)です! 家づくりを計画する上で、各ハウスメーカーや工務店の断熱性能は誰もが気にする部分かと思います。そして、住宅断熱性能を最も左右すると言われるの ...
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断熱材の入れ方も、こちらのお宅のように綺麗に隙間なく入れる+防湿気密シートも貼っていれば問題ありません。
ただ、施工があまり丁寧でない…という感想のブログも何件か拝見しました。シワが寄ったり隙間が空いてしまってはせっかくの高断熱仕様が活かされません。適切に施工されているか、ぜひ現場でチェックしておきたいですね。
遮音性能◎、二世帯住宅も安心
標準で遮音(防音)仕様が整っており、1階が居室であれば2階床下を遮音構造にしてくれます。
具体的には釣り天井にロックウール(吸音のための断熱材)、制振バーを敷いています。釣り天井・断熱材は珍しくありませんが、制振バーはなかなかありません。「制振」なので歩く振動や物を落とした音などを抑えてくれます。トイレと寝室の間仕切り壁も遮音仕様になるそうで、地味にうれしい!
さらに二世帯遮音仕様、Mute(ミュート)50といった高水準の遮音仕様も用意されています。Mute50は三井ホームの賃貸住宅にも採用されているようです。
+αでさらに自由な設計が可能!
プレミアムモノコック構法で強くて高断熱な家になることはわかりました。しかし疑問がありませんか?
「ツーバイフォー工法が基本なら、大開口や間取りに制限があるんじゃ…」
ご安心ください、三井ホームはそこも進化させています。
Gウォール:大空間を作れる
1つめは 「Gウォール」。超強度耐力壁、超強い壁を作って大空間を作れるというものです。
ツーバイフォー工法は箱型の間取りを組み合わせて1つのフロアを作ります。これには大空間や複雑な間取りが難しいというデメリットがありました。Gウォールは、外側に強力な壁を置くことで内側の間取りを自由にしています。Gウォールを配置すれば、最低限の支持壁・柱だけでワンフロアを大きく使えます。
Gフレーム:大開口を作れる
2つめは 「Gフレーム」。1階2階の全面窓やビルトインガレージなど、大開口が実現できます。
いわゆる柱と梁で支えるラーメン構造と同じ理屈。Gフレームではヘビーティンバーという大型集成材を構造材にして開口部を支えます。なんと最大7.3mの開口を取れるとか…!鉄骨レベルの広さに驚きです。
三井ホームのデメリットと注意点
老舗の大手メーカーだけあって、建物自体は十分な性能のようですが…やはり気になるお金やメンテナンス性など。
建築費はかなり高め
ご想像どおり、建築費はお高めです。というか想像以上に高いかも。
ツーバイフォー工法自体は比較的安い建築工法。ではなぜ高額になるのか。広告費やらもあるでしょうが、今までご紹介してきたとおり仕様のグレードによるところが大きいでしょう。
特に基礎や下地材など、見えない場所に良い部材を使っていることがわかりました。塵が積もれば山となるで、住宅性能を上げたゆえに価格も上がりがちだと理解できます。
三井ホームの工事費用
ちなみに三井ホームの公式ニュースリリースで商品ごとの想定坪単価がわかります。
「Lucas(ルーカス)」参考プランの本体工事価格
29,186,000円(坪単価68.9万円)
(施工延床面積 139.88㎡:42.31坪)- 「SONOMA(ソノマ)」プロトタイププランの本体工事価格
32,169,000円(坪単価587千円)から
(施工延床面積 180.89㎡:54.71坪)
ざっと目を通しましたが、だいたい坪単価55~70万を見込んでいるようです。これだけ見れば「ちょっと高いけどそんなものかな」という感じですが…
工法構造 プレミアムモノコック構法
建築面積 49.69m2 / 15.03坪
延床面積 95.80m2 / 28.97坪
工事期間 5ヶ月
坪単価 90万円
本体価格 2,600万円
出典:ハウスネットギャラリー
しかし上記のような施工事例では90~100万。「三井ホームで建てるなら坪100万は覚悟しておけ」 的な都市伝説?もあるようで。
高望みせず、正方形の55坪の一中高以上の用途なら坪50-60万で余裕で建ちますよ。
三井ホームのハイパー営業マンの手の上にのってしまうと、あっという間に80万円ー150万円ぐらいになりますけどね。
出典:不動産屋が三井ホームで家建てる
要は造作家具、テラス、吹付外壁材などの仕様でどんどん値上がりしてしまうようです。三井ホームは標準仕様がかなり立派なもの。おそらく営業マンが提示してくるのは「三井ホームらしい設計」でしょうから、外観も間取りも設備もお金がかかるものになる。
建築費を抑えるなら間取りのシンプル化・設備の削減・グレードダウンが必要でしょう。グレードダウンしても基礎や下地処理などの構造はしっかりしていますしね。
スマートブリーズのランニングコスト(手間・費用)が気になる
三井ホームが推している?全館空調スマートブリーズ。温度調節、空気清浄、加湿除湿…など空調設備に期待する機能が網羅されています。家中どこも温度差がなく快適、移動が億劫にならないと評判です。
高気密高断熱ゆえに空調効果も生かされるのですが、やはり気になるのは掃除の手間やランニングコスト。
スマートブリーズのメンテナンス
スマートブリーズは①小屋裏タイプと②床置きタイプの2種類あります。空調機械をどこに置くかの違いですね。
- 小屋裏タイプ:小屋裏(屋根裏)が機械室。居室間取りが自由、見た目スッキリ
- 床置きタイプ:部屋の一部に機械室。手入れしやすい。
どちらも定期的なメンテナンスが必要です。「メンテナンス契約方式で年1~2回機器メンテ。室内機フィルターは月1度程度の手入れを」と案内されています。
フィルター掃除は掃除機や水洗いで汚れを落とす程度になるようです。小屋裏の場合はちょっと手間かもしれませんね。
スマートブリーズのランニングコスト
メンテナンス代、電気代ですね。実はスマートブリーズには東芝製とデンソー製があり、メーカーによって契約費用・フィルター価格が変わるようです(公式アナウンスは見当たりませんでした)。
東芝の全館空調システムの取扱説明書で必要フィルターと費用を調べると以下のように。
- 吹出グリルフィルター(F-1KMV,F-2KMV):1,200or1,700円/随時
- 吹出グリルフィルター(HV型,NA型):?(オプション)
- 高性能フィルター(RBN-F4GP):?/3~6ヶ月ごと(オプション)
- 空気清浄フィルター(RBN-FSK):1,500円?/1年ごと
- 光再生脱臭フィルター(RBN-FSD):5,000円?/6年ごと
?が多いのは、メンテナンス契約会社などでしか販売されておらず不確かなため。割引なども存在するかもしれません。
別途メンテナンス契約費が年1.5万ほどとすると(正確な値が不明なため、およそということで…)、東芝のメンテナンス費用は年間2~3万かな?と想定できます。
次はデンソー製です。デンソーオンラインで調査。天井(筒型1個+箱型)のケース。
- 換気用フィルター(E13H002A):2,700円/1年ごと
- 換気用フィルター(E13U001B):15,984円/1年ごと
- 空調用フィルター(583590M011):3,888円/2年ごと
フィルターは1年間で約2万かかる見込み。メンテナンス契約費は2.5万ほどで、最初の3年間は無料とのこと。…とすると、3年経過したら4.5万/年はメンテナンス代にかかるということ…?
今回調べた限り、正確ではないせよメンテナンスには年数万単位でかかることがわかりました。全館空調ゆえ全室に影響するわけで、手入れは必要不可欠。
全館空調は電力も使うので、広いお家なら電気代もそれなりに。ランニングコストを考えるなら、いっそZEH仕様にするのもひとつの手です。そもそもスマートブリーズを付けない選択肢もありますが。せっかくの天井断熱なので空調を活かしたいですよね。
比較対象となるハウスメーカー
三井ホームと比較されるのは価格帯的に大手木造メーカー。住友林業、一条工務店、木質壁工法(モノコック系)ならスウェーデンハウスも候補に上がります。簡単な比較表はこちら↓。
構造材 | 2x6(38x140mm) |
基礎 | ベタ基礎 |
外張断熱 | なし |
床断熱材 | ビーズ法ポリスチレンフォーム 80mm |
外壁断熱材 | ロックウール 140mm |
屋根断熱材 | 6インチDSP (構造用面材+ビーズ法ポリスチレンフォーム140㎜) |
構造材 | 集成材 560*105mm |
基礎 | ベタ基礎 |
外張断熱 | なし |
床断熱材 | ポリスチレンフォーム3種 100mm |
外壁断熱材 | 高性能グラスウール16k 100mm |
天井断熱材 | 高性能グラスウール16k 220mm |
構造材 | 天然材 45x120mm |
基礎 | 布基礎 |
外張断熱 | なし |
床断熱材 | グラスウール16k 200mm |
外壁断熱材 | グラスウール24k 120mm |
天井断熱材 | 吹き込みグラスウール 300mm |
三井ホームでの家づくりに向いているのはこんな人
三井ホームをまとめると、高いけれど手抜かりのない家と言えるでしょう。
目に見えない基礎配筋や外壁下地・屋根材下地など、ローコスト住宅では及びもつかないクオリティを標準にしています。反面、立派な仕様のためアレコレ足していくと建築費が馬鹿にならないのも事実。必要な設備やグレードを取捨選択する意識が必要になりそうです。
立派な仕様で固めても現場で正しく施工されなければ意味がないので、現場の進捗は自分の目でチェックしておくと更に安心です。
一生に一度の家づくりで後悔しないために…
- 商談を進めているハウスメーカーの対応がいまいち良くない…。
- 今検討している会社以外にも、他にもっと良いハウスメーカーがあるのでは無いか?
- 家づくりで失敗したくないから、誠実で実力のあるハウスメーカーに依頼をしたいが、探し方が分からない…。
家づくりを進めている方で、このような悩みを抱えている人は多いのでは無いでしょうか。
他の会社を比較したくても、ハウスメーカーにプランを作成して貰うにためには、展示場に行って「相談」→「商談」→「間取図案作成」→「商談(展示場に再訪)」というプロセスを踏む必要があり、それは正直かなりの労力を使います。
ただでさえ、仕事や育児で日常が大変なところに、数社に同時進行でプラン作成を依頼するのは腰が重い…。と感じている方は多いでしょう。
消耗する事無く自宅にいながら手軽にハウスメーカーを比較するためには「”タウンライフ家づくり”という、間取プラン一括作成サービス」を活用する事がオススメです。
※上の資料は実際にタウンライフ家づくりで作成してもらったプラン実例になります。
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