こんにちは、ユウキ(@yuki_housebuild)です!
今回のハウスメーカー評論は住友林業の「The Forest BF」、いわゆるビッグフレーム構法についてです。
住友林業は木造住宅のトップメーカー。その名は全国にとどろいており、住友林業で建てれば「おお、すごいね!」と称賛の声があがるでしょう。
木造軸組(マルチバランス)・ツーバイフォーと木造の建築方法はほとんど抑えてある中、一際目立つのが「BF(ビッグフレーム)構法」。他社では見かけないこの構法が一体どんなものかを解説します。
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住友林業 (The Forest BF)のメリットと特徴
The Forest BFはビッグフレーム(BF)構法で建てられる商品です。Forest(森)という商品名からも想像できるように、自然を意識したコンセプトになっています。開口部の位置取りや植栽によって、季節の移ろいに応じた心地よさを作ろう…ということのようです。
以下、主に構法をピックアップするため商品名ではなく「ビッグフレーム構法」と統一してお話しますね。
ビッグフレーム構法は「木質梁勝ちラーメン構造」という構造躯体の建て方です。木質はわかりますが、「梁勝ち」「ラーメン構造」はちょっとマニアック。まずはこの梁勝ちラーメン構造を理解しておきましょう。
木質梁勝ちラーメン構造とは
最初に知っておくべきは、ラーメン構造は鉄骨造の構造だということ。ラーメンはドイツ語で枠組みという意味ですが、「ラーメン構造」といった場合は鉄骨を剛接合(溶接)した建築方法を意味します。当然木材は溶接できませんから、本当の意味では木造でラーメン構造はないんです。
鉄骨ラーメン構造の場合、柱と梁の鉄骨を強力に接合して建物を支えます。筋交いも通し柱も要りません。柱と梁だけで十分なので、広い開口や空間が取れるのです。
そんなラーメン構造を木造で再現したのが住友林業のビッグフレーム構法。鉄骨構造をそのままに、木材を強力に接合して同じ特徴を持たせています。そして梁勝ちというのは柱の上に梁が乗ること。強度が高まると共に通し柱を不要にしています。
ビッグフレーム構法独自の「ビッグコラム」
木質ラーメン構造を可能にした最大のポイントはビッグコラムでしょう。直訳で大きい柱。なんと560mm x 105mmの超巨大な柱が使われています!
ビッグコラムで構造躯体が強い
一般的な木造軸組工法の柱は105mm角、太いものでも120mm角。ビッグコラムの560mm x 105mmが規格外の大きさなのは明らかですね。
話は単純で、柱が大きければそれだけ強靭な構造が作れます。割り箸はすぐ折れますが、まな板はそう簡単には壊れません。極端ですがそんなイメージ。
よく耐力壁(構造を支える壁)の強さを「壁倍率」で表しますが、建築基準法の最高値5.0に対してビッグコラムは22.4相当とのこと。これまた驚異的!
さらに鉄骨の剛接合を再現するべくメタルタッチ接合という技術も取り入れています。
柱や梁を溶接する代わりに、構造材に接合金物を埋め込んで金物同士をつないでいます。基礎にも直接接続するので、構造躯体の強さは十分だと言えるでしょう。
広くて自由な空間設計
ラーメン構造はとにかく広い空間設計ができる!ビッグフレーム構法も鉄骨と同レベル、最高レベルの大空間を作れます。
第一に窓。壁面一面を窓にしたり、部屋の角に窓を設けることも可能です。部屋の角が窓になっていると広がりを感じますよね。四隅に耐力壁が必要なツーバイフォーなどではまず不可能です。
部屋自体の広さも確保。なんと天井高は最大2.8mまで広げられます。鉄骨造と違って柱が中に張り出さないので、実質面積も広く取れます。鉄骨ラーメン構造では柱が内側に配置されるので、有効面積が狭くなるんです。ラーメン構造ながら部屋が広くとれるのは嬉しい限り。
通し柱もいらないので1階・2階の間取りを揃えなくてもOK…空間づくりにおいては右に出るものはいないって感じです!
木造ならではの可変性で変形地もOK
ビッグフレーム構法は土地の形状に合わせた設計もしやすいです。
鉄骨造に近いのですが、鉄骨にはいくつかデメリットがありました。その1つが「変形地に対応しづらい」というもの。鉄骨は短いピッチでの加工が難しく、どうしても規格サイズの組み合わせになってしまいます。変形地に合わせた設計は不得意なのです。
その点、木材は加工しやすいので多様な土地形状に対応できる。ミリ単位の設計が可能と謳っています。ちなみに地下室、半地下もOKだそうで。ワインセラーや秘密基地も夢じゃないですね!
The Forest BFの断熱性能
構造材 | 集成材 560*105mm |
基礎 | ベタ基礎 |
外張断熱 | なし |
床断熱材 | ポリスチレンフォーム3種 100mm |
外壁断熱材 | 高性能グラスウール16k 100mm |
天井断熱材 | 高性能グラスウール16k 220mm |
断熱材の性能としてはもちろん?大手らしく十分なもの。高性能グラスウールや、寒冷地仕様では素材の変更や厚みを増すなどして性能を上げています。
※断熱材の性能については下記記事にて解説をしています。
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ハウスメーカーでよく使用される断熱材の種類・性能をまとめて比較してみた
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UA値(外皮熱還流率:住宅の内から外に逃げる熱の割合、低いほど熱が逃げにくい)は0.43以下。どこの地域でもZEHという新しい省エネ基準を満たすレベルで、高断熱と考えられます。
ビッグフレーム構法は斜めの筋交いがないので、断熱材がきれいに収まっていますね!袋を破って加工する箇所も減り、施工ムラの心配は少ないです。
住宅性能評価もすべて最高値、長期優良住宅も満たすためまったく問題ない…はずのですが。ちょっと気になる点もあるので後述しますね。→ビッグコラムが断熱に悪影響?
打ち合わせで設計士(建築士)と直接やり取りができる
住友林業の他社ではあまり見られない特徴として、間取や設計の打ち合わせ時に設計士と直接やり取りをしてプランを作っていける。という点があります。
我が家では、住友林業から出てきた間取りをかなり改変して、理想の間取り案を作りました。
設計士さんに提出したのですが、想像を2段階ぐらい上まわる、いい間取りに修正してくれました!
目の前でシャシャシャシャっと、より良い間取りを書き上げる姿を見た後は、しばらく「凄い」の言葉しか発することができなくなりました。
出典:リアル口コミ評判!住友林業で建ててよかった?満足してる?【平屋・坪単価】 MyHome・Lover's さんより
https://twitter.com/bibi_koukai0/status/1138933296799178753
通常、家づくりの打ち合わせは営業を窓口として行われる事がほとんどです。
そのため、間取変更の要望があったとしても営業担当が「設計に確認しておきます!」と言うだけで、その場では結論が出ない事が当たり前…。
この場合、営業担当の能力によって「できる・できない」の判断があいまいだったり、伝言ゲームになって言った言わないのトラブルになる事が多々あるんです。
住友林業の場合はその辺りの役割分担がハッキリしているため、契約後の打ち合わせは設計士が主導でとなり、直接プランの打ち合わせをする事が出来るのは大きなメリットと言えるでしょう。
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びびの注文住宅で後悔しない方法ブログ|住友林業で26坪の平屋 | 家づくりの情報収集を分かりやすく
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住友林業 (The Forest BF)のデメリットと注意点
強い、自由、広いという高機能な木造住宅なビッグフレーム構法ですが、デメリットと思しき点もいくつか。
木造にしては高い工事費用
住友林業というブランド価値や長期保証、建築材料やあれこれ。ビッグフレーム構法は施工方法も特殊なのでそこでも費用がかかりそうです。木造住宅としてはお高めになりますね。
The Forest BFの工事費用
現状、軽量鉄骨メーカーは高すぎ!相対的に、住友林業は安く感じました。
実際、値引きなしの定価で、住友林業の平屋は、75万円
積水ハウスの平屋は、89万円
ダイワハウスの二階建は、82万円でした。
しかし、このときは、提案工事で坪単価が数万単位でどんどん上がっていくことは、知る由もなかったのです・・・!
ビッグフレーム工法はざっと80万円/坪くらいと聞いたこともあります。
今回参考として幅を持った価格を出して頂いたのですが、上下限で500万円も開きがあります。下限でも一条工務店より200万円ほど高いです。出典:自宅新築日記
お二方の見積もり額を引用させていただきました。坪単価75~80万、もしくはそれ以上と考えて良さそうです。仮に坪単価80万とすると、40坪(約132㎡)で3,200万円、50坪なら4,000万円…!土地代・外構工事費などナシでこの価格ですから、かなりの高額です。鉄骨が建てられちゃいますね。
割引の有無や追加工事の内訳、建材や内装材のグレードなど費用が上下するポイントはあるにしろ…木造としてはトップレベルの高さなのは間違いないです。
ビッグコラムならではのデメリット
ビッグフレーム構法に欠かせないビッグコラムですが、デメリットも考えられます。問題点は「構造上重要すぎること」「木材であること」。
穴あけ・加工不可
ビッグコラムは構造上重要=耐力壁の役割を担っています。ただの柱ではないので、穴あけなどの加工は難しいようです。
4.BFコラムが壁内にあると何も出来ない。
外でも、中でもコラムが壁の中にあると、コンセントを始めスイッチ類やはたまた我が家では引き戸が入らなかったりと間取り以上に困難と妥協の嵐になった。
同じ設計でも何パターンかコラム配置が存在するのだが、早い段階で複数のパターンでスイッチ、扉、ガス栓など検討しておいたほうがいいかもしれない。
ビッグコラムには引き戸不可、コンセントの設置すらできないとのこと。窓などの開口部が無理なのは当然とはいえ、コンセント程度の加工もできないというのは中々制限がきついですね。
断熱性能には悪影響?
次は木材ゆえの心配。断熱性能です。当然ですがビッグコラム部分には断熱材が入りません。直接外壁と接するので、ビッグコラム自身が断熱材のようなものです。
しかし木材の熱伝導率は0.15前後。断熱材(高性能グラスウール16k)の0.038と比べると、3~4倍くらいの性能差があることに。
ビッグコラムを増やして開口部を多く取れば、窓から伝わる=逃げる熱も大きくなります。窓は断熱では最大のネック。住友林業はアルゴンガス入りアルミ樹脂複合サッシが標準ですが、それでまるっと解決するかは疑問です。
さらに言ってしまえば、外壁の内側に張るパネルは「きづれパネル」という住友林業独自のパネルのよう。このきづれパネル、格子状で隙間があります。外壁材との間には透湿防風シートがありますが…気密断熱性に?が付きます。※1~3地域ではきづれパネルの代替として高性能フェノールフォーム20mmを使用
完全な無垢構造にはならない
ビッグコラムは集成材です。無垢ではないので完全な自然素材で建てたい人には向きません。
理由はいろいろ考えつきます、560mm x 105mmという大サイズの無垢材を仕入れるのは難しい。品質差をなくすため。要は安定した材料を安定して生産するには集成材、ということでしょう。
集成材自体はほとんどのハウスメーカーが使用していて、スタンダードといえばスタンダード。しかし「化学物質過敏症だから集成材はちょっと…」「住友【林業】だからもちろん無垢で建てられるよね?」とお考えであれば、ビッグフレーム構法は選択肢には入れられないということです。
とは言え、完全無垢ではなくとも内装に施す無垢材は十分に美しい。本物の高級感があります。フローリングや天井に無垢をあしらいたい、ということならまったく問題ないですね。
比較対象となるハウスメーカー
住友林業のビッグフレーム構法と比較されるのは、同じラーメン構造の住宅やハイクラス木造住宅です。
- セキスイハイム:パルフェなど
- 積水ハウス:シャーウッド
- 一条工務店:i-smartなど
セキスイハイムは鉄骨ラーメン構造(ユニット工法)を取り扱っています。積水ハウスのシャーウッド、一条工務店はどちらも有名メーカーの木造住宅です。特にシャーウッドはビッグフレーム構法と同じく木造にしてラーメン構造を取り入れている商品なので、比較する価値はあるかと思います。各メーカーの基本情報をまとめましたので参考までに。
TH | TH |
---|---|
構造材 | 集成材 560*105mm |
基礎 | ベタ基礎 |
外張断熱 | なし |
床断熱材 | ポリスチレンフォーム3種 100mm |
外壁断熱材 | 高性能グラスウール16k 100mm |
天井断熱材 | 高性能グラスウール16k 220mm |
TH | TH |
---|---|
構造材 | 角型鋼 120mm角 |
基礎 | ベタ基礎 |
外張断熱 | なし |
床断熱材 | ポリスチレンフォーム 110mm |
外壁断熱材 | 高性能グラスウール16k 100mm |
天井断熱材 | 高性能グラスウール20k 90mm |
TH | TH |
---|---|
構造材 | 集成材 120mm角 |
基礎 | ベタ基礎 |
外張断熱 | あり |
床断熱材 | 高性能ウレタンフォーム 140mm |
外壁断熱材 | 高性能ウレタンフォーム 140mm |
天井断熱材 | 高性能ウレタンフォーム 235mm |
住友林業 (The Forest BF)での家づくりに向いているのはこんな人
住友林業のThe Forest BF(ビッグフレーム構法)は「柱と梁が強く、大開口が可能」「同様に大空間が可能」「気密断熱性は今ひとつ?」というのが私の見解です。ここから想定できるビッグフレーム向きの人は…
大規模建築も可能なダイナミックさと、土地に合わせた加工ができる繊細さ。土地形状が複雑でも邸宅と言える住宅が建てられるでしょう。鉄骨ラーメンの大空間がいいけど鉄は好みじゃない…という人でも同等の設計ができるのもいいですね。
地下・半地下という大手ならでは?の設備も。ワインセラー、ホームシアター、もちろん収納室にも便利。ロマンがありますねー、こだわりがある方は検討の価値アリかも(お値段も高そうですが…)。
ただ、断熱性能には多少の疑問も。寒さの厳しい地域よりも比較的温暖な気候のほうが向いているのではないでしょうか。もしくはThe Forest BFのコンセプト通り、自然の採風・採光を活かして暮らしたい方には良い家が建てられそうです。季節の移ろいを家族で感じるなんてオツですね。
一生に一度の家づくりで後悔しないために…
- 商談を進めているハウスメーカーの対応がいまいち良くない…。
- 今検討している会社以外にも、他にもっと良いハウスメーカーがあるのでは無いか?
- 家づくりで失敗したくないから、誠実で実力のあるハウスメーカーに依頼をしたいが、探し方が分からない…。
家づくりを進めている方で、このような悩みを抱えている人は多いのでは無いでしょうか。
他の会社を比較したくても、ハウスメーカーにプランを作成して貰うにためには、展示場に行って「相談」→「商談」→「間取図案作成」→「商談(展示場に再訪)」というプロセスを踏む必要があり、それは正直かなりの労力を使います。
ただでさえ、仕事や育児で日常が大変なところに、数社に同時進行でプラン作成を依頼するのは腰が重い…。と感じている方は多いでしょう。
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