こんにちは、ユウキ(@yuki_housebuild)です!
今回はローコスト住宅として有名な「タマホーム」のハウスメーカーの家づくりの特徴について調べてみました。
分析を行った事で、タマホームだから実現できているメリット、反対にタマホームが苦手としている部分もハッキリと見えてきました。
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タマホームのメリットと特徴
ローコストが最大の特徴
タマホームの最大の特徴は何と言っても「注文住宅なのに安価で家づくりが出来る」ところ。この「良品質で低価格な家づくり」という特徴は、タマホーム自体も”経営理念”として打ち出しています。
タマホームがこれまで急成長を続けてくることができたのは、良質な住宅を低価格で販売するという戦略が支持されてきたからです。タマホームの事業の原点は、より多くのお客様が注文住宅を買うことができるようにしてきたことであります。良質で低価格な商品を提供することによって、お客様に喜んでもらうことがタマホームの事業の原点ですので、今後もその点を追求することによって「住宅産業を通じて社会に奉仕」していくことを目指します。出典:タマホーム 経営方針
実際の坪単価はどれくらい?
では実際にタマホームで注文住宅を建てると建物本体工事費はどのくらいかかるのでしょうか?
実際にタマホームで新築された方の見積金額を確認してみます。
メーカー/グレード | タマホーム / 大安心の家 |
見積時期 | 2015年10月 |
延べ床面積 | 33坪 |
建物本体工事費 | 11,619,261円 |
消費税 | 929,541円 |
総合計 | 12,548,801円 |
坪単価 | 38万円 |
出典:子持ち金無しサラリーマン 様
※当サイトでは本体工事費のみ(給排水工事・諸経費は含まず)で坪単価を算出しています。
建物本体工事費から算出された坪単価は「38万円」でした。ちなみに、積水ハウス(鉄骨1・2階建仕様)の坪単価が「89万」。業界最大手ハウスメーカーと比較してみると、タマホームがローコストハウスメーカーと言われる所以がわかりますね。
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建築工法は木造軸組パネル
タマホームでは「木造軸組パネル工法」を採用しています。
昔ながらの建築工法である木造軸組工法(在来工法)に、構造用パネルを上から張り重ねる事で、耐震強度や気密性を更に高めた工法で、「ハイブリット工法」や「モノコック工法」とも呼ばれています。
この工法は現在、タマホームに限らず数多くの注文住宅メーカーや建売メーカーで採用されており、日本で最もメジャーな建築工法になっています。
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基礎仕様は「ベタ基礎」
出典:タマスマートタウン茨木
続いて、基礎仕様を見ていきます。タマホームの基礎は「ベタ基礎」を採用しています。
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以下の表は、建築基準法の告示に基づき指定されている住宅基礎(ベタ基礎)の建築基準値とタマホームの基礎仕様を比較したものです。
タマホームの標準値 | 建築基準法の基準値 | |
立ち上り厚さ | 150mm以上(+30) | 120mm以上 |
立ち上り高さ | 450mm以上(+50) | 400mm以上 |
根入れ深さ | 200mm以上(+80) | 120mm以上 |
スラブ厚 | 150mm以上(±0) | 150mm以上 |
スラブ厚以外の基礎仕様の数値は、いずれ基準値を上回っており、タマホームでは基礎強度・建物構造を含めて一定水準以上の建物強度が確保されている事が分かります。
その証拠にタマホームでは、住宅性能評価機が認定している耐震等級と言われる制度で、全棟「最高ランク"耐震等級3"」となる設計を行っています。
高性能な断熱材を使用している
続いて、断熱性・気密性について検証していきましょう。タマホームをはじめ、殆どのハウスメーカーでは「寒冷地」と「それ以外の地域」で標準仕様の断熱材が異なるため、それぞれを紹介します。
床断熱材 | 押出法ポリスチレンフォーム3種 65mm |
壁断熱材 | 高性能グラスウール14k 105mm |
天井断熱材 | 高性能グラスウール14k 155mm |
窓サッシ | 樹脂サッシ:LOW-Eペアガラス |
床断熱材 | 押出法ポリスチレンフォーム3種 95mm |
壁断熱材 | 高性能グラスウール20k 105mm |
天井断熱材 | 吹き込みグラスウール13k 210mm |
窓サッシ | 樹脂サッシ:LOW-Eトリプルガラス |
標準値仕様、寒冷地仕様共に、断熱材の密度・厚さの優れた製品を使用しているようです。
※断熱材の性能については下記記事にて解説をしています。
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ただ、断熱材に関しては僕が常々思っている事があります。
https://twitter.com/yuki_housebuild/status/1127107987594665985
つまり、「タマホームの断熱材施工方法はどうなっているんですかッッ」という事です笑
実際にタマホームで新築された方のブログから、タマホームの断熱材の施工方法を引用させて頂きます。
引用:タマホームのようにハイベスト(構造用面材)を用いる工法では筋交いがないので施工しやすいというのもありますが、大工さんの意識も高いようです。小さな隙間にもグラスウールの切れ端を埋めて気密テープで処理してくださいます。
文章・画像出典:クマのBooさんのタマホーム建築日記 様
2010年と10年近く前の記事情報になりますが、隙間が生じるような部分にはテープ処理が行われ、しっかりと気密処理が行われたとの事。現場に入る大工さんへの指導もしっかり出来ているのでしょうか、かなり好印象です!
タマホームのデメリット・欠点
タマホームでの家づくりを体験談を見ていくと、必ずと言って良いほど「設計面で何かしらの制約を強いられた」という意見が見受けられます。
調べてみると、タマホームでは家づくりの設計・工程を徹底的に徹底的に規格化するために「設計時からいくつかのルール」に基づいて間取図等のプランを作成している事が分かりました。
柱位置による間取設計の制約
では、実際にいくつかそのルールを紹介・検証していきます。まず、タマホームでは間取設計をする際、「4m以内に必ず柱を設ける」というルールが存在するそうです。
そのルールによる制約を分かり易い形で受けてしまった方のブログ記事を紹介します。
赤い壁が、4mルールのために追加された壁です。…こんなとこに壁あったら、ダメじゃん!って感じで。(まぁ、この4mルールがあるおかげで、構造の強さはかなり安心できるのですが…)文章・画像出典:タマホームで建てる家
このブログ記事の筆者は、自ら間取図を作成しタマホームへ提出したそうなのですが、「4mの柱間隔」の制約のため、間取図に不必要な壁を追加したプランに修正されてしまったそうです(-_-;)
恐らくこの問題は、「補強梁(やすめ)」を取り付ける事で回避可能だったかも知れません。
ですが、ルールの範疇を外れた設計は規格化によるローコストの恩恵を受けられなくなってしまいます。そのため…
壁位置による間取設計の制約
タマホームでは、先に紹介した「柱位置の制約」に加え、壁位置の変更についても制約があります。
タマホームはメーターモジュールが基本となっている。壁の位置(グリッド単位)については外壁で50cm単位、内部壁で25cm単位となっている。柱の立つ位置の制約を受けるのだろう。出典:
はじめての住宅建築(安くて良い家)様
標準の設計仕様が「外壁50cm単位、内壁25cm単位」ずつの変更しかできないようです。
つまり、変形地・狭小地への建築を予定していて、ハウスメーカーの設計力を頼りにしたい場合には、間取り設計を含めて家づくりを規格化しているタマホームは不向きな可能性が高いです。
ちなみに、建物構造は違いますが、パナソニックホームズの設計自由度は、なんと「業界最小の15㎝」ピッチだったりします。
室内設備・仕様の制約
最後のデメリット紹介は「室内設備仕様の制約」になります。タマホームでは、室内の窓サイズ・窓数、クローゼットの大きさ等が標準仕様で決められています。
- 居室扉 1つ(開き扉 or 片引き戸)
- 1650×2000mmまでの掃き出し窓(床からある窓) 1つ (それ以下の小さい窓にも変更可)
- 1650×1100mmまでの腰窓(普通の窓) 1つ (それ以下の小さい窓にも変更可)
- クローゼット 1つ (間口2m以下)
- コンセント(二口) 2箇所 出典:倹約と長期投信で1000万を1億円にするブログ様
この仕様以上の設備を追加したプランにすると、オプションとなり追加費用が掛かるとの事。
実際にタマホームで作成してもらった間取り図を見てみる
2019年に私がタマホームで作成して貰った間取り図があるので紹介します。
※「タウンライフ家づくり」という、土地図面を添付すると間取を作成してくれるサービスを利用して作成して貰ったものです。
延べ床面積は「31坪」。間取りの各所をよく見てみると、今まで挙げてきたタマルールで設計されている事が分かりますが、よく見なければ「ルールの事など気にならない、シンプルで一般的な間取り」とも言えます…。
(ちなみに上の図面は何の打合せも無しに、土地図面に「夫婦に子供二人・4LDKの間取で」という要望だけを伝えて作成して貰った間取り図です。「家事同線が良くない!」等とタマホームの設計士さんを責めないであげてくださいね汗)
つまり、タマホームでは建坪30~35坪程度の一般的なサイズの注文住宅であれば、ルールの範囲内でシンプルかつ高性能で十分立派な注文住宅を建てられるのだと思います。
結論:タマホームはシンプル設計だけど、安価で注文住宅を建てられるハウスメーカー
「一般的な大きさ・形状の土地に、建坪30坪前後の普通の間取で、安く注文住宅を建てたい」という方にはタマホームはベストな選択だと言えるでしょう。
逆に、以下のような家づくりを想定している場合は要注意…。
- 建坪50~60坪近くのサイズのある家を建てて、大空間の間取、窓数も増やし、かつ収納も多く作りたい
- 狭小地・変形地に設計の力で建ぺい率いっぱいに土地形状を活かした家を建てたい
タマホームでこういった家づくりを行うと、オプションの嵐になり「ローコスト」という良さが消えてしまう事が想定されます。
恐らくこの場合は「自由設計」等をウリにしている一流ハウスメーカーを選択した方がタマホームより立派な家が建つ事でしょう(^^;)
まとめると、「タマホームは設計やデザインで突出した物は作れないけど、高性能な家を安く提供できるハウスメーカー」という事です。
一生に一度の家づくりで後悔しないために…
- 商談を進めているハウスメーカーの対応がいまいち良くない…。
- 今検討している会社以外にも、他にもっと良いハウスメーカーがあるのでは無いか?
- 家づくりで失敗したくないから、誠実で実力のあるハウスメーカーに依頼をしたいが、探し方が分からない…。
家づくりを進めている方で、このような悩みを抱えている人は多いのでは無いでしょうか。
他の会社を比較したくても、ハウスメーカーにプランを作成して貰うにためには、展示場に行って「相談」→「商談」→「間取図案作成」→「商談(展示場に再訪)」というプロセスを踏む必要があり、それは正直かなりの労力を使います。
ただでさえ、仕事や育児で日常が大変なところに、数社に同時進行でプラン作成を依頼するのは腰が重い…。と感じている方は多いでしょう。
消耗する事無く自宅にいながら手軽にハウスメーカーを比較するためには「”タウンライフ家づくり”という、間取プラン一括作成サービス」を活用する事がオススメです。
※上の資料は実際にタウンライフ家づくりで作成してもらったプラン実例になります。
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