こんにちは、ユウキ(@yuki_housebuild)です!
星の数とまでいかずとも、山ほどあるハウスメーカー。マイホームを託す会社はお決まりでしょうか?なかなか迷いますよね。お金、性能、雰囲気…決め手はいろいろです。
予算も大事ですが、建築工法をメインに考えたことはあるでしょうか。実は建築工法は非常に重要なんです。
建築工法、つまり建物の構造のこと。住宅は構造によって得意・不得意なことが違ってきます。たとえば寿命だったり、断熱だったり、間取りだったり。
見た目が良くても中身がダメならちょっと…。家も人と同じというわけですね。
ハウスメーカーを探すならぜひ建築方法にもこだわってみてください。
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すべては建築工法で決まる!住宅の骨格づくり
建築工法の違いは住宅性能や間取りデザインなど、さまざまな要素に影響します。人間も骨格や体つきが違えば、得意なことや似合う服が変わりますよね。
住宅の骨格を形作るのが建築工法なんです。木材なのか鉄骨材なのか、柱と梁で組むのか面材を張るのか。家を建てるという目的は同じでも、過程はまったく違うのです。
住宅は構造によって価格、耐震耐火性、気密断熱性など得意分野も異なります。
ハウスメーカーがどんな工法で建てているのか?今まで気にしていなかったかもしれませんが、知っていれば他の人より賢く家が建てられるでしょう。
建築工法5種類、これさえ覚えればOK
木造軸組工法(在来工法)
日本の住宅建築の基本、木造軸組工法。在来工法とも言われ、その名の通り古くから使われてきた建て方です。
縦に柱、横に梁(はり)を渡して自由自在に建築していきます。建物の四隅や負荷がかかる箇所に筋交いを入れ、耐力壁をつくって家を支えます。
その昔は大工さんが現場で木を加工し、継いで建てていったものですが…今では継ぎ手や仕口(木の接合部分)などの技術を持つ職人さんが減って、工場でプレカットされた木材を使うことがほとんどになっています。おかげで加工の失敗は防げるんですけどね。
木造軸組工法の特徴は「価格の安さ、設計の自由度」です。
すべての建築工法の中でも一番安いのが木造軸組工法。地域の工務店や中小ハウスメーカーでよく採用されています。基本かつ広く流通している建て方だけあって対応できる職人さんが多いですし、大掛かりなシステムがいりません。内外装材や建具も節約していけば、お得な価格で注文住宅を建てられるでしょう。
ただ、現場作業が多いので品質にムラが出やすいのが難点です。耐震性、耐火性も気をつかわないと弱点になりがち。
木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)
近年シェアを伸ばしているのが木造枠組壁工法、いわゆるツーバイフォー(2x4)工法。欧米からやってきた建築工法です。
木造+枠組+壁工法ということで、2x4材の枠組みの上に壁(面材)を張ります。面で家を支える構造です。2x4というのは木材のサイズのこと。断面が2インチx4インチ(厳密には違うんですが)の木材を中心に建築します。最近はもっと壁厚が出せる2x6、2x8なども登場しています。
特徴は「施工ムラが少ない」「耐火、断熱性に優れる」こと。
使用部材や建築方法が規格化(マニュアル化)されているため、どこの誰が建てても同じになるようにできています。釘打ちの間隔や釘の長さも指定されている徹底ぶりです。
壁一面を面材で張るので断熱・気密性を高めやすく、火災の燃え広がりを遅らせることもできます。省令耐火基準を満たすので火災保険料も安くなりますよ。
苦手なのは自由な間取り設計。面で支えるには長方形を組み合わせたような間取りになるため、複雑な設計はできません。
木造軸組パネル工法
木造軸組工法と木造枠組壁工法のいいとこどりをしたのが木造軸組パネル工法。ハイブリッド工法と呼ばれたり、ハウスメーカー独自の工法名を付けられていることも。
柱と梁で構造を作り、その上からパネル(面材)を張るというまさにハイブリッド、和洋折衷ですね。基本構造は軸組工法で、面材で補強するイメージです。
木造軸組パネル工法の強みは「木造建築を活かしつつ高性能」になっていること。
軸組のように間取りの自由度があり、枠組壁のように耐震・断熱性が高い。柱、梁の存在感をそのままに和室を作ることもできるし、面材のおかげで気密断熱性、耐火性も高くなる。中堅以上のハウスメーカーが採用している工法です。
木造軸組、枠組壁それぞれの弱点を補っているのでこれと言って注意点が見当たらないのもいいですね。あえて言うならマニュアル化はされていないので、しっかり施工してもらうことが前提になる、くらいでしょうか。
鉄骨軸組工法
ここから2つは鉄骨造です。まずは鉄骨軸組工法。木造軸組工法と同じく、柱と梁+筋交いの構造です。鉄骨の場合は筋交いをブレースと呼ぶため、ブレース構造とも言われます。
鉄骨軸組工法の特徴は「安定した品質」「耐久性の高さ」。
木材は水分や種類によって品質差があります。乾燥が甘いと施工してから割れることも…。その点、鉄骨は金属なので品質に差がありません。同じ形状、サイズで設計どおりに生産されます。シロアリ被害にも非常に遭いにくく、安定感・耐久性の高さは折り紙付き。
鉄骨材の注意点は、金属なので熱を通しやすく、サビやすいこと。適切な断熱・防サビ処理が重要です。当然ハウスメーカーもそこは把握しているので、基礎や鉄骨周りの断熱を工夫したり、鉄骨にメッキなどしています。ご自身でもどんな対策が取られているのかチェックしておきましょう。
鉄骨ユニット工法
箱型構造を組み合わせるのが鉄骨ユニット工法です。ユニットには構造だけでなく断熱材や外壁材、窓なども設置済み。ほぼ出来上がっている住宅パーツを現場で並べるだけ、という驚きの工法です。
住宅の建築部材を工場生産することをプレハブ工法といったりしますが、鉄骨ユニット工法はその最たるもの。構造の仕組み自体はラーメン構造という枠構造がほとんどです。柱と梁を溶接(剛接合)で強力につなぎ合わせており、高層ビルなどにも採用されています。
鉄骨ユニット工法(ラーメン構造)は「工期が短く、品質が一定」「大開口がとれる」のがポイントです。
建築工程のほとんどは工場で終わるので、現場に出せば1日で上棟、天候を気にせずその後の工事ができるという優れもの。その上、ユニットを生産と並行して地盤改良や基礎工事もできるので工期が短いです。
ラーメン構造は耐力壁(筋交い)が不要なので壁面スペースをフルに活かせます。大きな部屋、広い窓をならもってこいです。
鉄骨ユニット工法をもっと詳しく!詳細の解説はこちら
建築工法のおさらいとポイント
ここまで、木造は3種類「木造軸組工法(在来工法)」「木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)」「木造軸組パネル工法」、鉄骨は2種類「鉄骨軸組工法」「鉄骨ユニット工法」と全部で5種類の建築工法をご紹介しました。
ハウスメーカーによっては独自開発の工法で売り出している場合もありますが、今回お伝えした工法がベースになっているはずです。
いろいろあって結局どれがいいの?と思ったらすみません。わかりやすくまとめます。
ポイントは「木造か鉄骨造か?」「線で支える(軸組)か面で支える(壁・パネル)か?」です。
木の質感が好きだったり、予算を抑えたいなら木造でしょう。予算に余裕があったり、一定以上の品質を求めるなら鉄骨造も検討していい。間取りの自由度を求めるなら線で支える軸組工法、断熱気密性を求めるなら面材を張る枠組壁・パネル工法です。
目的別にどんな工法が向いているか分類したのでご参考ください。
とにかく安く建てたい!
「木造軸組工法(在来工法)」「木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)」
材料費が安く、工務店やローコストメーカーでも取り扱っているのが木造軸組工法です。ツーバイフォー工法も比較的お手頃な価格で建てられます。
予算は重要ですよね。ただ、安さだけにつられたくはない。詳しい設計をハウスメーカーに確認しておきたいところ。
間取りづくりを楽しみたい!リフォームもありえるかも
「木造軸組工法(在来工法)」「木造軸組パネル工法」
まず、木材は加工しやすい。それを組んで建てる木造軸組工法は幅広い間取り設計ができます。上下階で壁や柱の位置を変えたり、土地の形状に合わせることも可能。耐力壁さえ適切に配置されていればリフォームの可変性も高いのです。
気密断熱性が高い家で光熱費も節約したい!
「木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)」「木造軸組パネル工法」
構造自体に面材を張るので、家全体を面で覆われるかたちになり必然的に気密断熱性が高まります。木材は熱伝導率が低いですし、あわせて高機能な断熱材を施工すればエネルギー効率の良い家が建てられるでしょう。
広い部屋がほしい!子供が遊べるしバリアフリーにも
「鉄骨ユニット工法」「木造軸組工法(在来工法)」「鉄骨軸組工法」「木造軸組パネル工法」
一番広い部屋がつくれるのはラーメン構造の鉄骨ユニット工法。柱と梁がガッチリ溶接されているので、とても広い空間がつくれます。最大30~50畳など可能なハウスメーカーも。そのほか、軸組工法がベースなら比較的自由に空間設計ができます。
まとめ
ほとんどの人は「構造なんて難しいしよくわからない、家が建つならどれも同じでは?」と思っています。
よくわからない、で終わらせるのはもったいないです。誰だって結婚相手の内面を見ずにプロポーズはしませんよね。建築工法は家の骨格、内面そのもの。内面がわかっていれば補うべき場所、活かすべき長所がわかります。何より「自分で建てた家なんだ」という実感がわきます。
なんとなく営業マンのセールストークに乗せられて決めてしまった、なんてちょっと残念ですから。
ハウスメーカーを探すなら、ぜひどんな建築工法を採用しているのかチェックしてみてください。この工法で建てたい、という視点で建築会社を探すのも大いにアリです。