【リフォームの基礎知識】 壁紙(クロス)のリフォーム

壁紙張替を行う際の注意点!壁紙の選び方と費用を安く済ませる方法

2017年5月26日

部屋のイメージを大きく変える要素と言えば、壁です。部屋の面積の大部分を占める壁のデザインで、良くも悪くもあなたの部屋の印象が決まるといって過言ではありません。

しかし、壁のデザインを決める壁紙は、年数を重ねるごとに経年劣化が進んでいき、新築時には非常に高級感があった部屋も、年数の経過と共に悪い意味で生活感が溢れる部屋になってしまいます。そのため、壁紙がボロボロになる前に張替え等のリフォームをしていく必要があります。

といっても、壁紙をただ選べば理想通りの部屋になるというわけではありません。リフォーム用と非リフォーム用の壁紙の違いや、実際に張ってみたときのイメージが想像できなければ、壁紙の張替えに想像以上に費用がかかったり、イメージと違うなど失敗してしまうことでしょう。

この記事では、張替えが必要な壁紙の劣化の種類や、リフォーム用と非リフォーム用の壁紙の違い、壁紙を張り替える際に失敗しないコツについて解説していきます。

この記事でわかること

 壁紙を張り替える目的と張替を行う期間のめど
  リフォーム用の壁紙と新築用の壁紙の違いと選び方
  安く上手に壁紙を張り替える方法

壁紙を張り替える目的

同じ壁紙を何年も使い続けると、経年劣化が生じます。壁『紙』という名前の通り、壁紙は壁を構成している石こうボードの上に糊付けされた紙状のもので、和紙や布、ビニールクロスなどの素材が使用されています。一般的には、コスト的にビニールクロスが採用される場合が多いとされています。

壁材は使用される面積が大きいため、塗り壁やペンキ塗装に比べてコストが安い壁紙は部屋の雰囲気を変えるのに非常に有用なのですが、一方で他の壁材に比べ劣化が早いと言う欠点もあります。せっかく新築時に綺麗だった壁紙も、年数を経過するとともに以下のようにダメージを受けてしまうのです。

クラック(ひび割れ・傷)の発生


壁紙が張られている石こうボードは、継ぎ目の部分が地震等の振動に影響されて動きやすい。石こうボードが動いた箇所はの壁紙は「クラック」として傷が発生してしまう。

はがれや継ぎ目の浮きの発生


湿度の変化や乾燥等で壁紙が伸び縮みを繰り返したり、糊付けが弱くなったりする影響で、壁紙の剥がれや継ぎ目が目立ちやすくなる

心配なのは、以上のような経年による変化だけではありません。壁紙は生活汚れやタバコのヤニによる変色など、さまざまな劣化のリスクにさらされています。その結果として年数を重ねるごとに顕著になり、あなたの家は新築時の新鮮な雰囲気からかけ離れた空間へと変わっていってしまうのです。

そのような事態を避けるためには、10年を目途に壁紙の張替えを行うのが理想的と言えるでしょう。

一般的に壁紙の張替時は「リフォーム用の壁紙」が使用される


画像出典:シンコール

一般的にリフォームでの壁紙張替時には「材質に厚みのあるリフォーム用の壁紙」を使用することが多いです。リフォーム用の壁紙には以下のようなメリットがあります。

リフォーム用の壁紙のメリット

 リフォーム用の壁紙のメリット
  • 材質に厚みがあるため壁の下地の状態に関わらずきれいに仕上がる
  • 張替費用は1㎡あたり1,000~1,200円と割安
  • シンプルな柄、シンプルなカラーの壁紙が多い

リフォームの際、壁紙を張替えを行うときには、今ある古い壁紙を剥がして新しい壁紙を貼っていきます。しかし、壁紙は石こうボードとしっかりと接着されているため、剥がすとどうしてもが古い壁紙の跡が残ってしまいます。この上から、一般的な壁に使われる薄い壁紙を貼り付けてしまうと、新しい壁紙の表面に古い壁紙を剥がした跡がくっきりと浮き出てしまう恐れがあるのです。

もちろん下地処理をしっかり行うことで避けることは可能ですが、その分コストは跳ね上がります。そこで代わりに使用されることが多いのがリフォーム用の壁紙です。この壁紙は厚みがあるため、古い壁紙を剥がした後の下地処理が最低限であっても、跡が浮き出てくることがありません。内装業者も下地処理の手間が少なくて済むため、1㎡あたりの費用が1,000~12,00円と、非リフォーム用の壁紙の張替え費用(1㎡あたり1,500円)と比較して安価なのもメリットです。

リフォーム用の壁紙のデメリット

 リフォーム用の壁紙のデメリット
  • デザインやカラーがシンプル
  • 柔らかい素材のため傷や汚れに弱い
  • シンプルな柄、シンプルなカラーの壁紙が多い

リフォーム用の壁紙は『下地の状態に左右されず、安価できれいに仕上がる』というメリットがある一方で、傷つきやすいという欠点があります。というのも、下地のでこぼこを吸収する必要があるリフォーム用の壁紙は、やわらかい素材で作られていることが多く、非リフォーム用の壁紙に比べて傷や汚れが付きやすいのです。

また柄や色にシンプルなものが多く、内装を決める際の自由はかなり制限されます。高級感がある内装にしたいという希望がある方は、リフォーム用の壁紙のラインナップでは満足できない可能性があるのが現状です。その際は、高価になってもデザインも豊富で高性能なものも多い、新築時に使用される非リフォーム用の壁紙を検討してみるといいでしょう。

高性能でデザインも豊富な非リフォーム用壁紙

 

非リフォーム用の壁紙の特徴

 非リフォーム用壁紙の特徴
  • デザインやカラーが豊富
  • 防傷加工、防水・防カビ加工、防臭加工等、高性能を備えた壁紙がある

リフォーム用の壁紙は、柄やデザインの種類が豊富で高級感ある材質で製造されている壁紙が多いです。また、防傷加工や防水・防臭加工が施された高性能な壁紙もあります。これらの壁紙は「一般クロス」、「1,000番クロス」、「AAクロス」等の呼び名で新築の物件で多く使用されています。ですが、非リフォーム用の壁紙には以下のようなデメリットがあり、リフォームで使用する際には注意が必要です。

非リフォーム用の壁紙をリフォームで使用する際は注意が必要

 非リフォーム用壁紙を選ぶ際の注意点
  • リフォーム時の張替費用は1㎡あたり1,500円~3,000円と割高(デザインや機能によって異なる)
  • 薄い材質の製品が多いためリフォームには適さない(下地処理の手間が掛かるため費用が割高になる)

非リフォーム用の壁紙の最大のデメリットは張替費用です。デザインや機能によって異なりますが、1㎡あたり1,500~3,000円程度はかかると見積もっていいでしょう。リフォーム用の壁紙が1㎡あたり1,000~1,200円程度と考えると1.5倍の費用になります。薄い素材をきれいに壁に貼り付けるには丁寧な下地処理が必要になるため、非リフォーム用の壁紙では割高になってしまうのです。非リフォーム用の壁紙を選ぶ際には、注意しておきましょう。

安く上手に壁紙をリフォームする方法

 

部屋の一部分のみにアクセントとして柄やカラーの特徴的な壁紙を使用する

リフォームを成功させるためには壁紙の選定が重要なポイントです。壁のバランスを整える意味で、室内の壁面のうち、特定の部分のみに特徴的な柄やインパクトの強いカラーの壁紙を張るという手法もあり、このような壁紙を「アクセントクロス」と呼んでいます。

アクセントクロスという手法は新築の一戸建てやマンションで多く使用される手法で、壁紙が一部だけしか違わないのにも関わらず、部屋のイメージをガラっと変えることができます。

リフォームでアクセントクロスを使用する場合、メインとなる壁紙(大部分を占める壁紙)にはシンプルで安価なリフォーム用の壁紙を採用し、アクセントクロスとなる一部分には柄モノや印象的なカラーの非リフォーム用の壁紙を採用すると、安いのにオシャレなイメージの部屋に張り替えることができます。

失敗しない壁紙の選び方

 

インターネットを使用して画像検索をする

壁紙を選定する時の問題として、実際に張ってみたときのイメージが想像できないというものがあります。そういう時は、インターネットを利用して壁紙のイメージを固めるといいでしょう。

「アクセントクロス」というワードで画像検索をすると、たくさんの張替え例が出てきます。自分の中のリフォーム後のイメージに近いものを探し、選定の参考にするのもいい方法です。

 

壁紙メーカーのショールームに足を運ぶ

また、シンコール等の壁紙メーカーのショールームに足を運ぶのもいいでしょう。ショールームでは壁紙が実際に張られている状態で見れたり、サンプルをもらうことができます。リフォーム業者からも見本帳が渡されたりするのですが、それぞれのサンプルが小さく「実際に張ってみるとイメージと違った」という失敗例も多く見られます。

そのため、本物を自分の目で確認することは壁紙選びに失敗しないための最重要事項と言えるかもしれません。ショールームが近くにないという方は、メーカーに問い合わせてみましょう。大きな壁紙のサンプルを送ってもらえる場合もあります。

 

まとめ

チェックポイント!

壁紙は経年劣化でクラックや剥がれなどが目立つようになるため、10年を目処に張替を行うことが望ましい
リフォーム用の壁紙は安価だが、柄やカラーかシンプルで傷や汚れが目立ちやすい
非リフォーム用の壁紙はデザインが豊富で高性能な製品が多いが、張替の場合下地処理の手間がかかるため費用が高くなる
メインはリフォーム用の壁紙、アクセントとして一部分に非リフォーム用の壁紙を採用すると、安く上手に壁紙の張替が出来る
ネットで画像検索をしたり、壁紙メーカーのショールームを足を運んでみることで、壁紙張替を行った際のイメージをしやすくなる

壁紙は部屋の印象を決める大切な要素です。10年を目途に張替えを行わないと、経年劣化が目立ってしまい、くたびれたイメージの部屋になってしまいます。

張替えする壁紙はリフォーム用と非リフォーム用の2種類ありますが、どちらもメリットとデメリットがあります。メインとしてリフォーム用を、一部にアクセントとして非リフォーム用を採用する等、安価で高級感のある部屋を演出する工夫もあるので、じっくりと検討するといいでしょう。

張り替えてしまった壁紙をもう一度変更するとなると、さらに費用がかさみますから、ネット検索やショールームに足を運ぶなどして、できるだけ失敗をしないようにイメージを固めるようにしましょう。



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