こんにちは、ユウキです。アパート経営に携わっていると必ず直面するのが「空室リフォームに関する悩み」です。
ある程度きれいな状態を保っていないと、入居者が決まらない。しかし、多額の費用を掛けて大規なリフォームをしたとしても、入居者の使い方次第では1〜2年の短期間で壊されたり・汚されたりする可能性もあります。
この記事では、中古アパートを購入した筆者が「アパートの空室リフォームを、金額を最低限に抑えつつ、かつきれいに仕上げるまでの全過程」を紹介しています。
- 不動産オーナーとしてアパートを所有しているが、管理会社から提示されたリフォーム工事費用が高くて困っている
- 中古のアパートを購入したが、室内リフォームをどこに頼めばいいかわからない
こういった悩みを持つ不動産オーナー様にとって役に立つ情報になれば幸いです。
アパートの購入と悲惨な空室の現状
2017年4月に、ある縁が有り築25年程度の中古の木造アパートを購入しました。
上図は実際に購入したアパートの間取りになります。1Kの間取りの部屋が8世帯あるアパートですが、購入時点で部屋数のうち半数の4室は空室の状態でした。
購入を仲介して貰った不動産会社の担当者曰く、空室はいずれも25年前の新築時から殆ど手が付けられていない、酷い状態の部屋だとか…。まずは、実際に空室となっていた部屋を自分の目で確認することにしました。
空屋の悲惨な状態を見て驚く
タバコのヤニ汚れで黄ばみきった室内
製造から25年以上経過したオンボロのエアコン
経年劣化でバキバキにひび割れている壁紙
古めかしい印象が拭えないキッチン
ウォシュレット機能も付いていな冷たい便座
壊れたコンセント
まるで20数年前の新築当初のまま時が止まってしまっているかのような部屋の惨状…(-_-;) ここまで経年劣化が進んだ上、現代的とはとても言えない室内の設備の状態では人が住みたいと思わないのは当然です。今まで入居者募集をかけても全く人が付かなかったという話も容易にうなずけます。
自分の目で確認してみて、「現時点で空室になっている部屋は何らかのリフォーム工事を行う必要がある」ということがハッキリとわかりました…。
不動産会社の割高なリフォーム費用に足踏みする
空室のリフォームを決断したのはいいものの、アパートの購入資金が高く付いていたため、正直あまり懐に余裕はありません…。そのため、この段階では自分の中では以下のような考えを持っていました。
そう思い立ち、最初にリフォーム工事の見積を依頼したのが、アパートの管理を依頼予定の不動産管理会社でした。以下が実際の見積書になります。
不動産会社提示の工事見積書
しかし、予想外に工事費用が高すぎました…。現時点でほぼ同様の状況の空室がアパート全体で4部屋あったため、全部屋のリフォームを行った場合、総額で4,000,000円近くの出費になってしまいます。
そこで以前同じように中古アパートを購入した経験がある友人に相談をしてみたところ、以下のようなアドバイスを受けました。
友人からのアドバイスは、「リフォーム工事は”不動産会社”ではなく本職である”リフォーム会社」に直接頼んだ方がいい」という内容でした。その時の話の内容をまとめると、以下のようになります。
- 不動産会社が自社で工事を施工するケースはほとんどない
- そのため、提携しているリフォーム会社に工事を丸投げされるケースが多い
- 不動産会社が間に入ってリフォーム会社とやりとりすると要望が伝わりづらい
- 更に、工事を仲介する分工事費用に不動産会社のマージンが上乗せされる
- リフォーム業者を自分で手配し直接交渉を行った方が、要望も伝わりやすく金額も安く済む
確かに、不動産会社から工事見積もりを提示された際も、素人感がただよう担当者から見積書と金額の説明だけを突きつけられ、工事内容についての説明は随分とあっさりとしていた印象でした…。
いずれにせよ、アパート購入で高額な費用が掛かっているため、これ以上の出費はかなり苦しくなってしまいます。「出来るだけ安く、最低限の工事で済ませたい」という要望を叶えてくれるリフォーム業者を自分で探し、工事を手配することに決めました。
リフォーム会社に直接工事を依頼
先に結果から報告すると、自分でリフォーム会社に直接工事を依頼したことで、当初、不動産会社から提示された工事見積の約半分の予算で室内を劇的にリフォームすることができました!
リフォーム会社側からは「費用が高額になる設備の交換工事は行わず、既存の設備を活かしたリフォーム」を提案され、工事費用を抑えるための最大限の努力をして貰いました。以下に実際のリフォーム工事前後の比較写真を掲載します。
アパートリフォームの劇的ビフォーアフター
室内全体
二重サッシ
キッチン
水栓交換
トイレ
室内用物干設備
テレビドアホン
エアコン
洗濯水栓
工事費用が安く優良なリフォーム業社の探し方
リフォーム業社紹介サービスを活用
自分でリフォーム会社を依頼して直接工事を依頼するということは、実績が不透明なリフォーム会社、知識や技術が未熟なリフォーム会社、詐欺などを目的に存在しているリフォーム会社等、リスクのあるリフォーム会社に当たってしまう可能性もゼロではありません。
そういった考えもあり、私は今回「リショップナビ」というリフォーム会社紹介サービスを活用しました。
リショップナビを選択した理由は以下の通りです。
- 加入リフォーム業者に審査基準がある(過去の工事、会社運営実績・保険加入の有無等)
- 工事完了後1年以内に工事不備があった場合、保証制度がある
- 加入リフォーム業者数が多い(加盟業者550社以上)
- 価格.comリフォーム等、信頼ある大手業者とも業務提携している
- アパートリフォームの工事実績も豊富
リショップナビでは、見積依頼の申込画面で物件種類を選択することができます。「リフォームといえばマンションや1戸建住宅…」というイメージが強く、他のリフォーム一括見積サービスでは集合住宅という分類が無い場合がほとんどでしたので、今回アパートの改修見積を依頼するのにリショップナビは一番条件の合うサービスでした。
実際にリショップナビから見積を依頼をしてみた
リショップナビの見積依頼フォームから必要情報を入力していくことで、地域ごとに対応するリフォーム業者にリフォーム工事の見積依頼をすることができます。以下で実際に入力した内容を解説していきます。
必要情報の入力
まず、リンク先の「無料見積スタート」ボタンをクリックします。
クリック前
クリック後
見積依頼は「一戸建て」、「集合住宅」、「店舗」3種類のパターンを選択可能です。今回はアパートリフォームの相談のため、「集合住宅」をクリックします。
リフォーム見積を依頼するアパートの郵便番号と住所を入力しました。
最後に、名前・電話番号を入力します。
見積依頼は3ステップで完了しました。申込翌日、リショップナビのリフォーム業者紹介担当者から電話が掛かってきました。
リショップナビからリフォーム業者の紹介を受ける
リフォーム業者による現地調査
後日、紹介を受けたリフォーム業者から電話連絡があり、現地調査の日時の調整が行われました。
日時が決定し、いよいよリフォーム業者の担当者と顔を合わせての現地調査が始まります。
現地調査時の結果とリフォーム業者からの提案
現地調査の際は他にも様々なアドバイスをしてもらい、その内容をまとめると以下のようになります。
- キッチン、浴室、などの設備を最新製品に交換すると工事費用は一気に高くなる。
- キッチンなら扉にリフォームシートを貼る、水栓だけを交換する。トイレなら便器ごと交換するのではなく便座だけを交換する、等といった方法なら工事費用を抑えてリフォーム可能。
- エアコン、インターホン、ウォシュレット付き便座、室内物干し設備は工事費用も安く、かつアパートを探している入居者にとって魅力的な設備なので必ず付けた方がいい
後日、これからの内容を反映させた内容で作成して貰ったのが、以下の見積書になります。
リフォーム会社から提示された見積書
アパートリフォームの劇的ビフォーアフター
室内全体
室内全体の壁紙を白を基調としたクロスに張替、ヤニ汚れで黄ばみが目立っていた室内が見違えるように明るい部屋に生まれ変われました。
また、左面には薄いブラウンのアクセントクロスを採用し、部屋を内覧した人の印象に残るような工夫を施してあります。
二重サッシ
洋室2つの部屋の窓には二重サッシを取付ました。築年数25年以上のアパートのため、防寒や防音対策の一環で行いました。
キッチン
工事費用が高額になるためキッチン本体の交換は行わず、キッチン扉にリフォームシートを張る工事を行いました。
ダイノックフィルムと呼ばれるマンション等でも使用されているシートを使用することで、工事費用16,000円で古めかしい印象のキッチンから高級感のあるキッチンへリフォームすることができました。
水栓交換
水栓もシャワー切替・浄水器内蔵タイプの最新型水栓に交換をしました。「アパートにはオーバースペックでは?」と考えもしましたが、交換後の新品のキレイな水栓をみるとキッチン全体の印象まで変わって見えます。交換して正解だったと思います。
トイレ
トイレは壁紙と床のクッションフロアを張替し、便座をウォシュレット付洗浄便座へと交換しました。費用を抑えるため、便器自体は交換せず便座交換だけで対応して貰いました。
室内用物干設備
室内物干設備「ホスクリーン」を設置しました。集合住宅の場合、周りの目を気にして天気の良し悪しに関わらず外に洗濯物を干したくない人一定数存在するそうで、ホスクリーンの設置は必須だと言われているそうです。
テレビドアホン
「新築のアパートではモニター付き・録画付きのテレビドアホンが標準装備」との話を聞き、テレビドアホンの設置も行いました。
エアコン
担当者いわく「エアコンが古いのだけは絶対にNG!」だそうで、こちらも迷わず交換を依頼しました。
「アパート用と考えれば見栄えが新しければ6畳用の一番安い製品で十分」ともアドバイスを受けたので、古いエアコンの処分を含めて80,000円で交換工事をしてもらいまいした。
洗濯水栓
「洗濯水栓が旧タイプだと、何かの拍子でホースが外れたらあっという間に漏水事故になってしまう」との指摘があったため、洗濯水栓は自動停止機能付きの製品に交換しました。
リフォーム業者を自分で手配したら金額も安くキレイにリフォームを成功できた
当初はリフォーム会社の手配を自分で行うことに不安がありました。ですが、結果的に最初に不動産会社から提示された金額の半分程度の予算でリフォームを成功させることができました。
工事を依頼したリフォーム会社は、「最低限の予算で抑えたい」というこちらの要望にこたえるため、金額を抑えるための創意工夫や独自のアイデアを取り入れながら工事の提案をしてくれました。
個人的に一番驚いたのが、キッチン扉にシートを張るリフォーム方法です。
キッチンのリフォーム=流し台自体を交換、というイメージしか無かったため、目から鱗でした。
リフォーム会社の担当者いわく「工夫次第でいくらでも安く工事をする方法はある」とのこと。
アパート経営は入居者にどうしても左右されるリスクが多くなります。アパートリフォームの場合は費用を掛けて大規模なリフォームをしても、入居者の使い方次第では1~2年で壊されたり、大きく汚されてしまうことも多いようです
そのため、室内の現状復帰リフォームに関しては、出来るだけコストを掛けずリフォーム工事を行うことをオススメします。
ぜひ、この記事の事例を参考にしてみてくださいね!