浴室は水回りのため汚れやカビが発生しやすく、家族が毎日使用するため傷が付きやすい場所です。
年月が経てば家族構成も変わって、手すりが欲しくなったり寒さが気になることも。
経年劣化とライフスタイルの変化により浴室のリフォームを考えることになります。
20~30年スパンで交換などのメンテナンスが必要になることが多いです。
この記事では浴室リフォームの種類とその特徴、安くリフォームする方法についてご紹介します。
この記事でわかること
浴室の造りは「在来工法」と「ユニットバス」の2種類がある
浴室の交換リフォームには二種類の方法があります。
一つはユニットバスへの設置交換、もう一つは在来工法での設置です。
1990年代前半までは在来工法が主流でしたが、1990年代後半からはユニットバスが急速に普及しました。ユニットバスは組立てが簡単なので、品質と価格が安定したことで一層広まったのです。
リフォームの現場でも在来工法ではなくユニットバスへのリフォームが主流です。
その理由もメリットデメリットの項目でご説明します。
ユニットバスのメリット・デメリット
ユニットバスはシステムバスとも呼ばれるお風呂です。
浴室サイズ・浴槽・床材・照明・手すり・ドアなどがセットで販売されています。規格内であればパーツは変更可能。
アパートやマンションの不動産情報では「ユニットバス付き」と表記するほど生活に根付き・需要のあるものになっています。
なお、トイレ・手洗い付きの浴室もユニットバスと呼ばれますが、ユニットバスはあくまで「規格の浴室」という意味なので、トイレの有無は関係ありません。
メリット
ユニットバスのメリットは「イメージのしやすさ」「一定した品質」「工期の短さ」などが挙げられます。
リクシルやTOTOなどの主要住宅設備メーカーが販売しているため、カタログやショールームで詳細を確認できます。素材や色、形を目で見て確かめられるので施工後のイメージがしやすいです。
規格が統一されているので品質も一定。防水性・断熱性ともに高品質になっています。防水性の高さから2階への設置も可能で、二世帯住宅にも採用できます。
そして施工方法も簡単で確立されています。ほとんどの業者が施工できるので、依頼がしやすく工期も短く済む。工事費用も安く抑えられます。
施工性が高く、誰が扱っても品質が変わらない。部品もたくさん出回っており、設備も更新されていく。短期間で出来上がるので業者は数をこなせるし、リフォーム主はすぐに新しいお風呂に入れる。
業者側の扱いやすさと仕上がりのバランスが取れているのです。
デメリット
規格という枠はメリットでもありますが、デメリットと感じる方もいるかもしれません。
浴室サイズやデザインが似たり寄ったりになるので、例えるなら「こだわりの檜(ひのき)風呂!」のような個性を出せないのです。
また、既存の浴室の大きさによっては広さを活かしきれない可能性があります。
浴室サイズが規格と合わなければ、浴室自体を狭くして調整せねばなりません。部屋を広げて合わせることも可能ですが、間取りや構造に影響が出るのでハードルは高めです。
※タカラスタンダードなど、既存の浴室サイズに合わせられる商品を取り扱っているメーカーもあります。
在来工法のメリット・デメリット
在来工法はいわゆる「造作」と呼ばれる作り方で、職人さんに造り付けのお風呂を設置してもらいます。
注文住宅の浴室バージョンといったところ。
よく大改造ビフォーアフターでも建築士さんが工夫して独創的なお風呂を作り上げていますが、イレギュラーながらああいった手法も在来工法の一種ですね。
メリット
在来工法のメリットは間違いなく「自由度の高さ」。
職人さんが現場で壁・床・浴槽…とすべてをオーダーメイドで施工してくれます。
当然規格は存在しないので、浴室の素材やデザインにこだわるなら在来工法になるでしょう。
ユニットバスはFRPというプラスチック素材や人造大理石で作られるのが主流ですが、在来工法なら木材やタイル、本物の大理石を使うこともできます。
他にも「浴槽だけユニットバスと同じ」など幅広い選択肢が取れるのが魅力。
細かいところに手が届きオシャレにも仕上げられる。こだわり派におすすめの方法です。
デメリット
どんな浴室を作るのかにもよりますが、自由ゆえに高額で手間がかかります。
高額になる原因の多くは材料費・施工費。加えて工事期間も長く1ヶ月ほどかかるため、余裕のある資金計画・スケジュールを組まねばなりません。
そして日々の手入れや適切なメンテナンスも重要。浴室内の換気や掃除を怠ると、せっかくのいい素材が劣化してしまいます。大理石には酸性洗剤NGなど、モノによって手入れ方法が異なるためその理解も必要となります。
水漏れの点検・補修だったり、もし解体するとなればそこでもお金と時間がかかりますね。
在来工法の浴槽は減りつつあり、価格と工期の長さ、メンテナンスのハードルによるところが大きいです。
…それでも日本人としては、無垢材など趣のある素材は残って欲しいものです。木は吸湿・放湿するので適切に換気等すれば長持ちします。
愛着あるものを大事に使い続ける暮らし方に合っている工法ではないでしょうか。
リフォームシートを張ることで低予算でリフォームが可能
画像出典:ビューティースタイル
浴室リフォームの代表的な方法2つをご紹介しましたが、ユニットバス交換は100万、在来工法はピンからキリまで多額の費用が必要です。
そこまで予算がない場合は諦めるしかないのでしょうか?そんなことはありません。
そのリフォーム方法は、リフォームシートの施工。
キッチンリフォームの記事でも触れていますが、非常に使い勝手のいいシートです。施工依頼は壁紙貼りなどを請け負う内装業者へ。
壁や天井などの施工面に大きな破損やゆがみがなければ、シートを貼ることで表面を美しく仕上げることができます。
汚れやカビが落ちないとき、イメージチェンジをしたいときにお手軽な方法です。
予算例
浴室壁・天井リフォームシート張り:10~20万円
水回りという条件なのでダイノックフィルム等の高品質なシートを選びましょう。木目柄や石目柄などデザインも豊富ですし、抗菌・防カビなどの特徴ある商品もあります。
ダイノックフィルムの浴室施工についてはこちらの動画が一目瞭然です。
シート貼り付け後にコーキングをして美しい浴室になっています。
合わせて読みたいオススメ記事
まとめ
チェックポイント!
安定規格のユニットバス、自由設計の在来工法。そして低価格なリフォームシートでの浴室リフォームをご紹介しました。
浴室は心身ともにリラックスでき、安全な空間であるべきです。
どんな色が落ち着くだろうか、素材は何がいいのか、どこに手すりがあれば動きやすいか、床は滑らないか…検討する余地はたくさんあるでしょう。
ぜひあなたとご家族の「心地よさ」を追求してみてください。
新しく生まれ変わったお風呂は、あなたの疲れを癒やしてくれること間違いなしです。