【リフォームの基礎知識】 フローリング(床)のリフォーム クッションフロア(CF)のリフォーム

フローリングの張替時期とリフォームを上手に行う方法

2017年6月8日

何年も住んだ家は、よく見るとさまざまな箇所に経年劣化が見られますが、その中でも劣化が生じやすい場所と言えば「フローリング」です。長年生活する中での摩擦や水分の吸収、太陽光を受けることによる日焼けや退色によって、フローリングは日々劣化していきます。

一見なんの変哲のない床でも、よく確認してみると傷や凹み、日焼けによる色あせは至るところで発見できるはずです。フローリングに「めくれ」や「ささくれ」があった場合は、怪我に発展してしまうケースも考えられます。

とはいえ、床のリフォームとなると施工期間や費用がどうしても気になってしまいます。今のフローリング剥がして、新しい床材を張り替えなければならない、と考えると、「仮住まいを手配する必要が出てくるくらい大掛かりな工事が必要なのでは」と、現状のまま妥協してしまう方も少なくありません。

しかし実際にはフローリングのリフォーム工事では、そこまで大掛かりな工事を行うことはほとんどありません。この記事では、フローリングのリフォームが必要になる時期や、フローリングのリフォームを行うための2つの方法、工事に掛かる費用について紹介していきます。

この記事でわかること

 フローリングをリフォームが必要になる時期
 フローリングのリフォームを行うための2つの方法
 フローリングのリフォームで掛かる費用

フローリングのリフォームが必要になる時期

 フローリングのリフォームが必要になる時期
  • めくれや剥がれ等の目立つ傷や凹みが多数ある
  • ギシギシときしみ音がなる箇所が多数ある
  • 日焼けによる色あせが顕著に目立つ

長年、生活をしていると、年数の経過と共にフローリングの劣化が気になってきます。日焼けによる色あせやギシギシというきしみ音、傷や凹みも年々増加し、さらにはフロア材(床板)に「めくれ」や「ささくれ」が出やすくなってしまうのです。

色あせ程度なら我慢のしようがありますが、裸足で過ごす事が多い室内では、「めくれ」や「ささくれ」は大問題。足に刺さって怪我に発展してしまう可能性もあります。そのため、一般的にフローリングは20年を目途にリフォームを行うのが理想とされています。

問題はそれだけではありません、床下には湿気がたまりやすく、腐敗やシロアリの被害を受けやすい箇所なのです。そのため、リフォームを行う予定がない場合でも、フローリングの点検を行っておくことは重要事項だといえるでしょう。

 

フローリングのリフォームの基本は「重ね張り」


画像出典:パナソニックリフォーム

フローリングのリフォームというと「今ある床を全部はがして、新しい床材を組みなおして…」といったような大掛かりな工事をしなくてはいけないイメージがあります。

  • 工期が長くなるから、仮住まいを用意しないと…
  • とんでもない費用がかかるかもしれないし、予算的にも厳しそう
  • 工事が大掛かりになるなら、リフォームはまた今度でいいんじゃないか?

大掛かりな工事のイメージのせいで、このように避けてしまう人も多いのですが、実際にはそのような施行が行われることはほとんどありません。腐食やシロアリによって構造自体が駄目になってしまった場合は仕方ありませんが、一般的には古い床の上から新しい床材を「重ね張り」していくのがフローリングのリフォームの主な施行方法なのです。

このような施行方法は「レイアー工法」と呼ばれています。レイア―工法は、「今ある床材をはがさないので、工程数が少なく工期が短い」というメリットに加え、「廃材が出ないため施行費用が安く済む」という特徴もあります。

また、重ね張りだからと言って、床板をただ上から張るだけというわけではありません。床材についても「リフォームフロア」や「クッションフロア」等、素材もさまざまあるためイメージや用途によって選択することも可能です。

 

フローリングリフォームの方法と掛かる費用

 

リフォームフロアの重ね張り


画像出典:住まいの建材.com

リフォームフロアによるリフォームは、古いフローリングの上からリフォーム用のフロア材を1枚ずつ重ね張りしていくことで進められます。材料の厚さは、6mm,3mm,1.5mmと3パターンありますが、性能や耐久性、建具の収まり具合で決定していきます。

特に建具との兼ね合いは重要で、重ね張りしたことで床が高くなりすぎると、扉が床と接触してしまい、擦ったり、場合によっては開かなくなってしまうという問題が発生してしまう可能性があるのです。自分だけで考えるよりも、施行を担当するリフォーム業者と相談しながら、ご自宅に適した材料の厚みを選ぶのがいいでしょう。

フローリングのメリットは硬質で耐久性があり、木材ならではの肌触りを感じられるところ。価格は高くなりますが、リフォームフロアの種類の中には、木材をそのままフローリングの形に加工した「無垢フローリング」タイプのものも有ります。高級感がありオリジナリティのあるリフォームを目指しているのなら、こういったタイプのリフォームフロアを採用することで実現することができます。

掛かる費用

部屋の大きさ施工単価
(1㎡あたり)
重ね張り費用
(部屋面積×単価)
6畳(10㎡)500050000
8畳(13㎡)500065000
10畳(16㎡)500080000

※1 張替費用以外に下地段差調整、床鳴り補修等で2~3万円掛かる場合があります
※2 使用するフロア材により、1㎡当りの施工単価は増減します

 

クッションフロアの重ね張り


画像出典:RESTA

 クッションフロアとは

クッションフロアとは厚さ2㎜程のビニール製の床用シートのこと。水を弾く素材のため、カビや汚れに強く、主に洗面所やトイレ等、水回りの箇所の床に使用される。最近では木目調やタイル調などデザインの種類が豊富になったこともあり、水回りにとどらず洋室の床にも使用されることが増えてきた。

キッチンや洗面所の床は、一見フローリングに見えても歩いてみると本物よりも柔らかい印象を持つことがあるかと思います。この床材はフローリングではなく「クッションフロア」という床材を採用しています。クッションフロアは、水を弾き、クッション性を持つ柔らかい素材です。そのため、通常キッチンや洗面所、トイレなどの水周りに使用されることが多いのですが、最近ではリビングや洋室のリフォームで採用する方が増えてきています。

クッションフロアの特徴は、先述したとおりクッション性と防水性にあります。そのため、

  • 転倒した際などに怪我の被害を小さくできる
  • 水やジュース等をこぼしてしまっても床に水分が吸収されないため、掃除が容易

以上のようなメリットがあり、小さな子供がいる子育て世代や、ペットを飼育している家庭にオススメな床材と言えるでしょう。見た目のきれいさもフローリングと遜色ないので、現在、流行している床のフォーム方法となってきています。施行の手間も少なく、リフォームフロアと比べると安い費用で施行できるのも魅力のひとつ。デザインも木目調からレトロタイルまでさまざまです。

ただし、耐久性についてはフローリングに大きく劣ることになります。柔らかい素材なので、傷に対する耐性が弱く、重量のある家具をクッションフロアの上に乗せると、跡が残ってしまうのです。採用する際は、部屋の配置換えの際に「跡」をどのようにするのかを考えておく必要があります。

掛かる費用

部屋の大きさ施工単価
(1㎡あたり)
重ね張り費用
(部屋面積×単価)
6畳(10㎡)250050,000円
8畳(13㎡)250032,500円
10畳(16㎡)250040,000円
※1 張替費用以外に下地段差調整、床鳴り補修等で2~3万円掛かる場合があります
※2 使用するクッションフロア材により、1㎡当りの施工単価は増減します

 

フローリングリフォームの際に注意すること

フローリングのリフォームの基本は、床材の重ね張りだと言うことは理解してもらえたかと思います。床材を一から交換することなく短い期間で安価に施行してもらうというのは、重ね張りの大きなメリットです。しかし、重ね張りは重ね張りで注意しなければいけない問題があります。それは、床の高さが変わってしまう、というところです。

重ね張りということは、以前の床の上に新しい床を張るということです。当然、リフォーム後は以前よりも床の高さは上がってしまいます。そうなると、床の張替えを行わない箇所とは、必然的に段差ができてしまうことがあります。不自然に高さが変わるのが気になってしまうこともあるでしょう。

それだけなら、気持ちに折り合いをつければいいだけの話ですが、建具との兼ね合いになると気持ちの問題では済まなくなります。床の高さが変わったせいで、扉やクローゼットがぶつかってしまう可能性があるのです。せっかく新しい床にしたのに扉と擦ってしまっては、すぐに劣化が始まってしまうし、最悪「ぶつかって扉が開かない」などという事態が起こる可能性もあります。

床の段差が気になる場合には、リフォーム箇所と非リフォーム箇所の間に段差解消プレートを設置することで対策が可能です。建具と擦ってしまう場合は、建具をカット加工し、高さを詰める必要がでてきます。工事中に発見した場合、思わぬ出費になってしまうことになるでしょう。その辺りの対策の必要性を全て把握しているのなら問題ありませんが、自信がないのなら打ち合わせ時にリフォーム業者の担当者に念入りに確認しておくといいでしょう。

 

まとめ

チェックポイント!

フローリングは経年劣化でめくれや色あせ等が出てくるため20年を目処にリフォームを行うことが理想的
リフォームの場合、張り替えではなく、上から新しい床材を「重ね張り」する方法が一般的
子育て世帯やペットを飼育している家庭ではクッションフロアの重ね張りがオススメ

フローリングのリフォームは大掛かりなものと思われがちですが、実際は床材の重ね張りで済ませることがほとんどで、そこまで施工期間が長くなることはありません。

フローリングは、経年劣化によって傷やへこみ、めくれや色あせ等の問題がだんだんと発生してきます。20年を目途に床のリフォームを行っていくとキレイな家を維持することができます。床材の張替えではなく重ね張りする方法が一般的で「リフォームフロア」や「クッションフロア」等、さまざまな床材を使うことができます。子育て世帯やペットを飼っている家庭では、柔らかく防水性の高いクッションフロアの重ね張りがオススメです。

重ね張りした際に、床の段差や建具との兼ね合いが心配な方は、リフォーム業者の担当者に相談するといいかもしれません。段差解消プレートや建具自体のカット加工等、リフォーム業者は色々な知恵を持っているため、ご自宅に合った対策を提案してくれることでしょう。



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