リフォーム計画を立てているときに、「クッションフロア」や「CF」という単語をよく目にするかと思います。キッチンや洗面所の床は普通のフローリングよりも柔らかいと感じることがありますよね。その床に使用されているのがクッションフロアです。
防水性の高い床材であるクッションフロアは、従来キッチンや洗面所、トイレや脱衣所等、水回りを中心に使用されてきました。しかし、近年住宅のリフォームや新築工事において、水周り周辺以外にも採用され、活躍の場を拡げるようになってきていることはご存知でしょうか?
この記事ではリフォームの床材について悩んでいる方のために、クッションフロアのメリットやデメリット、張替に掛かる費用についてご紹介します。
この記事でわかること
クッションフロアとは
画像出典:RESTA
クッションフロアとは、厚さ2~3.5mm程度の塩化ビニール素材で作られるシート状の床材です。建築業界では「CF(シーエフ)」と呼ばれています。塩化ビニール素材で出来ているため水を弾き、掃除もカンタン、その上フローリングと比較して施工の手間が少なく安価という特徴があるため、リフォームではキッチンや洗面所に使用されることが多いです。
デザインもリアルなものが多いのも特徴で、木目調のクッションフロアが床に張られていると、フローリングと勘違いしてしまう方も多いです。クッションフロアは、その名前の通りクッション性のある柔らかい素材なので、手で触ってみてプニプニした感触がある場合は、クッションフロアだと簡単に判断することが可能です。
クッションフロアメリット
- 水を弾く塩化ビニール素材で作られているため防水性がある
- 柔らかい素材で出来ているため、小さな子どもやペットのいる家庭に最適
- 木目調やタイル調などカラーやデザインが豊富
- 張替費用が1㎡辺り2500円程度とフローリング工事(1㎡辺り5000円程度)と比較すると安価
クッションフロアの最大の特徴は「防水性がある」というところです。フローリングだと水をはじくワックスなどが日常生活ではがれていくと、水を吸収してしまうようになるため、腐食やカビがどんどん進行してしまういます。
しかし、クッションフロアは表面が塩化ビニールで加工されているため、水を吸収せずに弾くという性質を持っているのです。そのため、洗面所やトイレ、キッチンといった水周りでは、クッションフロアが必ずと言っていいほど採用されています。
また、フローリングに比べて柔らかいクッション性がある素材でできているため、小さい子どもがいる家庭やペットを飼育している家庭などで、フローリングの上からクッションフロアを重ね張りするリフォームも流行しています。防水性があるという特徴も、水をこぼしたりすることの多い子どもやペットには適していると言えるでしょう。そのため、最近ではキッチン、トイレ、洗面所といった水周りのほかにも、リビングや洋室などで使用されることも増えてきています。
最近では、同じ木目調でもヴィンテージ風やナチュラル系、ホワイトからダークカラーまで選べるようになっていますし、レトロタイルや寄木タイル風など、柄・デザインやカラーも豊富に揃っているのも人気の秘密です。フローリングの上から重ね張りするだけで部屋の雰囲気をガラっと変わるので、安価で印象を変えたいという方にもオススメなのがクッションフロアのメリットと言えるでしょう。
クッションフロアのデメリット
- シート状の床材のため、傷の修復が難しい
- 重量のあるものを置いておくと、物跡や凹みが簡単に付いてしまう
- フローリングと比較して、剥がれ等の経年劣化が起きやすい
クッションフロアのデメリットとしては、傷の修復や補修が難しいことが挙げられます。フローリングの場合、傷の部分を埋めて着色などの処理を行うと、ほとんどわからなくなるくらいに補修することが可能なのですが、クッションフロアはシート状の素材なので、それを行うことが難しいのです。
また、柔らかい素材であるがゆえの問題もあります。柔らかさはクッションフロアのメリットでもあるのですが、一方で傷が付きやすいというデメリットにもなってしまうのです。さらに、重い家具を上におくと跡が残ってしまい取れなくなってしまう可能性があります。
「剥がれ」の問題もクッションフロアのデメリットと言えるでしょう。クッションフロアは壁紙を張るのと同じように床に対して専用のボンドで施工しています。そのため、ボンドの接着が経年劣化で弱くなると、継ぎ目の部分からクッションフロアが剥がれてしまうのです。下地工事が不十分の場合、剥がれで空気が入りデコボコになってしまう可能性もあります。
もちろんフローリングにも経年劣化はありますが、クッションシートはそれよりもかなり早い段階で耐久性に限界を迎えます。きちんと手入れをしていると20年は使えるフローリングですが、クッションシート10年程度で剥がれや傷等の経年劣化がどうしても目立ってきてしまいます。安いからといって安易に使用しすぎると、10年後、思わぬ出費になってしまうかもしれません。
クッションフロアの張替費用
部屋の大きさ | 施工単価 (1㎡あたり) | 重ね張り費用 (部屋面積×単価) |
---|---|---|
6畳(10㎡) | 2500 | 50,000円 |
8畳(13㎡) | 2500 | 32,500円 |
10畳(16㎡) | 2500 | 40,000円 |
※2 使用するクッションフロア材により、1㎡当りの施工単価は増減します
クッションフロアとフローリングの性能を比較
クッションフロア | フローリング | |
---|---|---|
張替費用 | 2,500円~/㎡ 施工手間少ない分割安 | 5,000円~/㎡ |
防水性 | 〇 塩ビ素材のため水を弾く | △ 吸水性があるため カビや腐食が起こりやすい |
耐用年数 | △ 10年程度剥がれ等が目立つようになる | 〇 20年程度でめくれ等が出てくるようになる |
耐久性 | △ 柔らかい素材のため 傷や物跡が付きやすい | 〇 硬質の素材のため 傷が付き辛い |
ペット対応 | 〇 防水素材のため ペット飼育向けの床材 | △ フロア材はすべりやすいため ペットの足腰を痛める可能性がある |
子育て対応 | ◎ 防水性・クッション性の面で 子育て世帯向けの床材 | 〇 |
仕上がり | 〇 デザインが豊富で洗練されているため 木目調等の柄はフロア材に見劣りしない | ◎ 無垢材フローリング等の高級感とオリジナリティはフロア材ならでは。 こだわりたい人向けの床材 |
チェックポイント!
安価で短い施工期間ということもあり、気軽にリフォームできるのがクッションフロア。最近では木目調やレトロタイル風など、柄やデザインが豊富なのも人気の秘密です。
そんなクッションフロアのメリットは「防水性」「クッション性」に優れているところです。塩化ビニール等の素材を使用しているため、水分を弾き、吸収することがないので腐食やカビの心配がほとんどありません。キッチンや洗面所、トイレなどの水周りの床にはほとんど必ずクッションシートが採用されています。
また、その名の通りクッション性が高いので、子どもが転んでも怪我をしづらいというのも大きなメリットです。子育て世帯や部屋でペットを飼っている世帯を中心に、リビングや洋室等で採用するのも流行している床材です。
一方で、クッションフロアは経年劣化に弱いというデメリットもあります。柔らかい素材のため傷がつきやすいのですが、その素材ゆえに穴埋めや着色によって補修することができないのです。また、重い家具を載せてしまうとへこみができてしまうのも問題の一つ。部屋の模様替えで家具の配置を替えてみたら、シートに大きな物跡がついていた、なんてこともよくある話です。
クッションフロアはフローリングに比べ耐久性が弱いため、大きな家具を置くような場所では使用を控えたり、一度家具を置いた後では配置替えを諦めるなどの工夫が必要になります。