リフォーム工事が完了して新しく生まれ変わった家で生活するのは気持ちがいいものです。しかし、「ようやくこの家に住めるのか」と思いながらどっかりソファーに座ると、思わぬところに傷を発見してしまうなんてこともよくある話です。
また、扉の立て付けが悪く開くたびにギーギー鳴ったり、トイレの扉のカギを閉めるときにノブを強く締めなくてはいけなかったり、最終確認では気づかなかった不備や欠陥が、実際に生活を始めることで判明してくる事例は数多く存在します。
リフォーム完了後に発見した不備について、リフォーム業者はアフターサービスで対応しています。とはいえ、不備の内容によっては無償で対応できるものと無償での対応が厳しいものが存在します。無償対応できないものについては最終確認までに発見しておきたいものですよね。
この記事では、実際に生活してから発見した不備についての対処方法や、無償でアフターサービスできる内容とできない内容、最終確認時にチェックしておきたい入居直後に発覚する不備についてご紹介します。
この記事でわかること
リフォーム工事完了後、実際に生活を始めてから気付く不備箇所も多い
リフォーム工事中、依頼主は何度か現場を訪問し工事が正確に行われているか確認をすることになります。しかし現実問題として、工事中は工事現場に人や資材の往来が激しいため、細かい部分までチェックすることは難しくなります。そのため、細かい部分のチェックは、工事中の現場訪問ではなく中間検査や最終確認時に依存することになります。
ところが、中間検査や最終確認は依頼主とリフォーム担当者、現場責任者が立ったままの目線で見える範囲までしか確認を行わず、細かい部分の傷や汚れといった不備を見落としてしまうケースが多いのです。そのため、椅子や床に座り低い目線で確認すれば発見できるような不備は、引き渡し後に生活を始めてから気づくことになってしまうのです。
そして、以下に示すような不備内容の場合、「リフォーム工事の不備」なのか「生活で発生してしまった不備」なのかの判断が難しく、リフォーム業者に対して無償でのアフターサービスを求めることが難しくなってしまう場合があります。
アフターサービスでの無償対応が難しい工事不備内容
- フローリングやクッションフロアの傷や汚れ
- キッチン、浴室、トイレ等、新品の住宅設備の傷や汚れ
人や資材の出入りが多い工事中には、傷や汚れといった不備は発生しやすいものです。しかしこのような不備は、引き渡し後に補修や清掃といったアフターサービスを求めても無償で対応してくれないケースがあります。傷や汚れは、どちらが付けたのかを第三者が判別するのが難しい上、内装や設備の性能に関わらないため、有償でのアフターサービスとされてしまうことが多いのです。
せっかく高額な費用をかけてリフォームをしたのに、住む前から傷ついた家になってしまっては残念では済みませんから、何とかして避けたいところです。そこで、こういったトラブルを防ぐために自己防衛策が必要になります。
傷や汚れといっても、工事中についたことが判別できる場合、その場で無償対応してくれます。そのため、
- 引き渡し時の最終確認時に、細部まで確認する
- 引き渡し後に不備に気づいたとしても、すぐに(新生活を始めて家具を配置する前)にデジカメ等で不備箇所を日付つきで写真に収め、記録する
などの対策をとり、できるだけ「証拠として写真等で記録を残す」形で自己防衛策を取るようにしましょう。
不備を発見したタイミングですぐにリフォーム業者に問い合わせることが大事
リフォーム工事が完了すると、通常、上図のような各リフォーム業者が規定した「アフターサービス保証基準書」が渡されます。これは保証が適用される部位や保証内容、保障期間や適用除外項目を記載した書類です。
例えば「壁紙の変色が著しいものについては2年間の保障期間がある」といったように確認することができます。自宅でリフォーム工事を行った部分について不備や欠陥を発見した場合は、この書類を確認してください。
そして「これは適用項目にあてはまるのではないか?」と思った場合は、すぐにリフォーム業者に問い合わせてみましょう。
入居直後によくある工事不備の内容
ここからは、リフォーム工事完了後、入居直後によく発見される工事不備の内容を紹介します。これらの不備は、中間検査や最終確認時、入居して生活を始める前(家具等の配置前)には発見することが非常に困難です。今回は3箇所ピックアップしましたので、もし発覚した場合、すぐにリフォーム業者に連絡して、対応を依頼しましょう。
壁紙の施工不備
リフォーム工事完了後の新生活がはじまってしばらく経ち、トラブルもなく安心しきっていたころに発見される壁紙の剥がれや継ぎ目部分の隙間。「最終確認のときには見つからなかったはずなのに」と後悔する前に、リフォーム業者に連絡をしましょう。壁紙の糊付けが足りないと、工事完了時にはキレイに見えても、数ヵ月後には剥がれたり隙間が目立ってしまうのです。これは工事中の不備によるものなので、リフォーム業者に対応を依頼するようにしましょう。
水回り設備の水漏れ
浴室やキッチン、トイレ等の水回り関係の設備のリフォームを行った場合も注意が必要です。最終確認時にはなんともなくても、給水配管のナット接続の締め付けが弱かったり水栓結合部のパッキンの取り付け不備等で、いつの間にか水漏れが発生していることがよくあります。
発見が遅れたり、そのまま放置してしまうと周辺の壁や床の構造にまで影響を与えてしまいます。早急にリフォーム業者に対応してもらいましょう。
建具の建て付け不良
扉の交換や二重サッシの取り付けを行った場合、扉が建具にこすっていたり、建て付けが悪く、鍵がかかりづらかったりする場合があります。建て付けは最終確認時によくチェックしますが、ちょっとした擦れや鍵の掛かりづらさは無視してしまいがちです。しかし、このような建物のズレは後々の生活で徐々に影響してくるもの。建付けの不備は傷や汚れと違って工事中の不備である可能性が高いため、無償での補修の対象になるケースが多いです。簡単な調整で補修可能ですが、将来的なトラブルを避けるためにも発見時にはリフォーム業者に対応を依頼しましょう。
まとめ
チェックポイント!
リフォーム後、引渡しが終わってから傷や汚れを発見するケースはよくありますが、生活をはじめてからでは、工事中についた不備なのかが判断できず、無償でのアフターサービスに対応してくれないことがあります。最終確認時には入念にチェックしましょう。
また、工事完了時に渡される「アフターサービス保証基準書」は、保証が適用されるかどうかの基準になりますので、不備を発見した際はすぐさま確認し、適用されそうな場合はリフォーム業者に対応を依頼しましょう。
最終確認時に発見しづらいような不備としては、壁紙の剥がれ、水周り設備の水漏れ、建具の建付け不良があります。入居後に不備を発見した場合、必ずリフォーム業者に連絡をいれるようにしましょう。