こんにちは、ユウキ(@yuki_housebuild)です!
突然ですが、私は自然素材が大好きです。
- 無垢材が持つ高級感のある見た目や質感
- 自然素材特有のまるで新緑の中にいるような匂い
- 温かみのある肌触りや調湿機能といった自然素材ならではの機能
これら自然素材でよく挙げられるメリットに加え、私は普段本業(リフォーム業をしています)で嫌という程、合板フローリングを始めとした集成材ベースの建材を目にしているため、どんなに綺麗な状態であろうと、真新しさや新鮮味を感じる事が出来なくなってしまっているんです(^^;)
何気に、これが私を自然素材を推している一番の理由だったりします…笑
そんな訳で、現在3~5年後を目途に中長期的に家づくりを計画しているのですが…。
と意気込んでいる訳です。
当然訪問するハウスメーカー・工務店の展示場やオープンハウスも「自然素材の住宅」が多くなります。(以下は訪問体験記事)
実際に自然素材の家を目にして考えた「理想」と「現実」
そんな自然素材をゴリゴリに推している僕ですが、実際に展示場を目にして考えた事があります。それは…
「自然素材を外装材に使用するのは無しだな。メンテナスが大変そうすぎる…。」
という事。木材は日常的に水分を吸ったり・吐いたりしながらしているため、収縮・膨張を繰り返している生き物のような建材。その性質から、自然環境の影響を受けやすいというデメリットがあります。
室内の場合、木材は屋根・壁に守られながらその性質を発揮し、「調湿効果」という形で居住環境をいい具合に整えてくれたりします。
ですが、外部の場合は常に、雨・風・紫外線といった木材にとって過酷な環境に晒される事になります。
塗装を施す事で木材の耐久性を延ばす事も可能ですが、木材は窯業材・樹脂材よりもずっと劣化の進行が早い建材です。塗装の塗膜が弱くなった箇所から、みるみるうちに劣化が進行してしまいます。
木製外壁材を扱っている工務店さんでも、正直な会社は以下のようにアナウンスをしている程です。
木材を使うということは、将来どのような色・変化するかを把握しておかないといけません。外部は紫外線、風雨など非常に過酷な状況になります。木材は、お引き渡しから何度かの雨で灰汁となり色が抜けます。また痛みも他の外壁材に比べ、傷み、割れ、はがれ、カビなども早く出ます。引き渡し時の色を残すには、こまめにメンテナンスをしないといけません(汚れ落とし、塗装している場合再塗装)外部に木をチョイスする場合は、必ず見学会だけではなく木を貼ってある1年後以降の家を見ることも大切だと思います。それにも増して木は経年美と呼ばれる美しさがあります!その部分を理解してから選ぶことをおすすめします。
引用:加賀妻工務店ブログ
ちなみに、自然素材の外装材でも「焼杉」のように、特殊な表面加工を施し耐久性を強化した建材もあるようです。
私は外観の好みの問題で採用する予定は無いのですが…(汗 どうしても外装も自然素材にこだわりたい場合、例えば「木材」以外にも選択肢を広げる事で、好みの外装材が見付けられるかも知れません。
冷静になって「高耐久・メンテナンスフリーの住宅」が普及している理由を考えよう
自然素材の外装材は、個性的で木材ならではの味があり、他の外装材には無い魅力を持っているのは確かだと思います。
ですが、「時代の流れには逆行しているかな」という感じは否めません(-_-;)
各ハウスメーカーはメンテナンスフリーを追及する形で窯業主材・コンクリート主材系の外装材を競って開発していますからね。
積水ハウスのダインコンクリート(外壁材)等は、独自開発のハイブリッド光触媒塗装(タフクリア30)で30年耐久の外装材を採用していたりします。
「平日は仕事で忙しく、休日は家事・育児・子供の習い事の付き添いで余暇時間なんて到底無い…。」家を建てる人ってそんな生活をしている人が大多数だと思うんです。
そして、少しでもメンテナンスの手間やコストを減らし、子育て世帯の「時間やお金にもっと余裕が欲しい…」という願いを叶えるため、高耐久住宅の開発に力が入れられているし、流行っているのだと思います。
自然素材の外装材を採用して、「常日頃から外部の様子を気にかけ自分でも手入れを行い、5年~10年サイクルで大規模な修繕をしていく」というのは、多忙で出費も多い子育て世代の人間が住む家としては非常にストレスフルな環境になってしまうのでは無いでしょうか。
内装への自然素材・無垢材の使用は多いに有り
さて、冒頭で「自然素材推し…」と自らを表現したのにも関わらず、ここまで自然素材を否定しまくってしまった訳ですが、要は適所に使用すれば、自然素材の良いとこ取りをする事も出来るんですよ。
- 無垢フローリングの柔らかく温かみのある肌触り
- 漆喰塗り壁の消臭・調湿(吸湿・放湿)性能
- 何と言っても天然素材でしか表現できない見た目が最高(^^)
天然無垢材ならではの機能美・外観美が存在し、それは集成材やプリント合板には決して出せない魅力でもあります…。
結論:自然素材はバランスと適所への使用が最適
「自然素材が好きでどうしても家づくりに採用したい!でも…使用は内装材までに留めておく」
外装で自然素材を使った場合、メンテナンス頻度や修繕コストで手が掛かりすぎ、相当の覚悟が無い限り、せっかくの夢のマイホームを愛せなくなってしまう可能性が高いから…。
これが、実際に自然素材の家の住宅展示場・構造見学会まで自分の目で見て考えた私の結論です。